悲惨:東南アジア海上の難民船 2015.5.16

www.bbc.com/news/world-asia-32747616 (ビデオあり)

シリアやアフリカからヨーロッパに向けて難民の群れが押し寄せているが、昨日、タイ沖で、難民を満載した船が沈没しかかっているのが発見され、インドネシアで保護された。

難民は、バングラデッシュとミャンマーからの700人以上で、小さな子供や女性たちも多い。船は、水も食料もないまま10日もたっており、発見されたときには、難民たちが泣き叫びながら助けを求めている状態だった。船内では10人が死亡。8人が重傷となっていた。

船はもともとはマレーシアを目指していたのがだが、マレーシアの海軍に追い払われた。その後タイにいったが、同様の処置を受けた。そのままいくところもなく、ただよっていたのである。

ブローカーらは、難民たちを見捨てて逃げたらしく、船の操作方法がわからない難民たちはそのままただようしかなかったようである。

難民をつめたく追い返し、非人道的だと批判されたタイは、「船には食料を補給したが、難民はマレーシアに行く事を選んだ。やることはやった」と弁明している。

<難民はどこから?>

この難民たちは、多くが仏教国ミャンマーでは市民と認められないイスラム教徒たちで、非常に苦しい生活の中から、高い斡旋料を払って船に乗った人々だった。

しかし、中には、人身売買業者にだまされて船に乗ってしまう少年たちもいるようである。家族が知らないうちに、少年たちがいなくなるとうう。

ヨーロッパでは、地中海で難民が続々と死亡しているのを受けて、とりあえずは、受け入れ、必要なものを支給する動きになっている。やはり欧米では、基本的に聖書の教えが入っているので、死にかかっている人々を追い払うようなことはできないのである。

しかし同時に、このように難民を受け入れると、さらに多くの難民がヨーロッパを目指すようになるとも懸念されているところである。

日本に難民が来たらどうするのか?我が国にその準備は全くないだろう。今のところ、日本をめざす難民はいないが、世界がだんだん混乱に向かっている状況にある事、また日本人である我々は、世界でも特に恵まれているということを知っておくべきだろう。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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