国連安全保障理事会の決定により、国連停戦監視軍300人が19日をもって撤退となった。内戦が激化する一方で、”停戦監視”の意味がなくなっているため。代わりに、今後の交渉拠点として、国連事務所がダマスカスに置かれる。
これまで停戦を目標に活動していたアナン元国連事務総長も8月末をもって辞任する。代わってアルジェリア出身のベテラン外交官ブラヒミ氏(78)が、戦闘停止に向けた努力を続けることになる。
国連停戦監視軍の撤退は、シリア市民にとっては強烈な「見捨てられ」感となる。またこれほどの無秩序に対して、国際社会は何もできないというメッセージを発することになり、戦闘が激しくなるだけでなく、世界的テロ活動を助長することにもなりかねないと懸念されている。