警察がネタニヤフ首相を汚職で起訴を勧告 2018.12.5

現在、首相、外務相に加えて、国防相も務めることになったネタニヤフ首相だが、3件の汚職疑惑がある。その中の一つで、ケース・4000と呼ばれる件について、2日、警察は、十分な証拠を入手したとして、ネタニヤフ首相夫妻を起訴すべきとの勧告を発表した。

ケース・4000とは、ネタニヤフ首相が、イスラエル最大の、ベゼック・コミュニケーション会社が運営するメディア、ワラに、自身に都合の良い記事を出してもらうため、ベゼックの主要株主サウル・エロビッチ氏に便宜を図っていたというものである。記事だけでなく、エロビッチ氏から賄賂をとっていたこともあると警察は言っている。

ネタニヤフ首相は、これについて、完全に否定。政治家がメディアと関わることはめずらしいことではないと一蹴し、自身に対する陰謀だと反論した。また、ちょうど警察庁長官が、交代する直前の摘発はタイミングよすぎると批判した。

<今後どうなっていくのか:最終決断は2019年末予定>

ネタニヤフ首相夫妻起訴への報告は、これから司法検事によって審査され、その後、マンデルビット司法長官が、起訴するかどうかの最終決断を下す。マンデルビット長官は、疑惑3件すべてを精査する予定で、最終的な決断の発表は、2019年末とみられる。

2019年末といえば、ネタニヤフ政権が任期満了となり総選挙が予定されている時期である。しかし、今回の警察の報告により、連立政権から離脱する党が出てくる可能性もあり、そうなるとまた早期総選挙という騒ぎになる。

一難さってまた一難というのが、今のネタニヤフ政権であるが、今の所、他にネタニヤフ首相ほどのリーダーシップをとれる人物もいないので、結局このまま・・ということになるのかもしれない。

www.timesofisrael.com/police-recommend-bribery-charges-for-netanyahu-in-case-4000/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。