UNESCO:反イスラエル決議採択の内訳 2017.5.3

先にお伝えしたように、2日、イスラエルの独立記念日に合わせて、ユネスコは、アラブ7カ国が要請した、エルサレム市に対するイスラエルの主権を否定する決議案の採択を行った。

決議案は、エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって重要であるとし、「エルサレムに関して”占領者”イスラエルが定めた、立法、運営に関する基本法は、聖なる都エルサレムの性質をゆがめるものであり、ただちに無効にされるべきである。」と述べられていた。

“all legislative and administrative measures and actions taken by Israel, the occupying Power, which have altered or purport to alter the character and status of the Holy City of Jerusalem, and in particular the “basic law” on Jerusalem, are null and void and must be rescinded forthwith.”

結果は予想通り採択されたが、賛成国は22カ国にとどまり、ヨーロッパ諸国の多くは反対票を投じて、イスラエルの側に立った形となった。

<賛成22カ国>

アルジェリア、エジプト、レバノン、モロッコ、オマーン、カタール、スーダン(決議案提出7カ国)とイラン、マレーシア、モーリタニア、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、バングラディッシュ、パキスタン、ベトナム、スウェーデン、ロシア、中国、ブラジル、ニカラグア、チャド

<棄権23カ国>

日本、韓国、フランス、ハイチ、ドミニカ共和国、メキシコ、スペイン、聖キッツとネビス、ケニア、トリニダード、トバゴ、アルバニア、カメルーン、エストニア、アイボリーコースト、スロバニア、ガーナ、モザンビーク、ウガンダ、アルゼンチン、エル・サルバドール。スリランカ、ネパール

<反対10カ国>

アメリカ、ウクライナ、イタリア、ドイツ、イギリス、オランダ、ギリシャ、パラグアイ、リトアニア、トーゴ

ネタニヤフ首相は、2日、聖書クイズ大会においてコメントし、「イスラエルはユネスコを否定する。ユダヤ人の歴史を通じてエルサレムは常に中心的存在であった。今年イスラエルはエルサレム統一50周年を祝う。また、シオニズム(ユダヤ人がシオン(エルサレム)に戻るための運動)120周年を祝う。」と述べた。

またネタニヤフ首相は、ユネスコにおける反イスラエル決議に賛成する国の数が回を重ねるごとに減っていると指摘した。1年間にユネスコでの反イスラエル決議に賛成した国々は32カ国、半年前は26カ国、今回は22カ国である。

今回、ドイツは、決議案の内容表現を緩和することをアラブ諸国に合意させ、代わりにヨーロッパ諸国に賛成または棄権するよう説いて回ったと伝えられていた。

ところが、蓋をあけてみれば、そのドイツ自身が反対票を投じていた。フランス以外のヨーロッパ諸国も多くが反対票を投じていた。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4956465,00.html
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/228995

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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