www.bbc.com/news/world-middle-east-35531178
ロシアの激しい爆撃を受けているシリア第二の都市アレッポ。先週、アレッポから3万人以上の群衆がいっせいにトルコとの国境へ逃げて来た。その流れは今日も続いている。
トルコは、難民には戸を開けるという原則は守ると言っているが、実際にはまだ国境を開ける気配はない。トルコはこれまでに250万人もの難民を受け入れており、もう限界とみられる。また、トルコからヨーロッパへ難民が流れているため、ヨーロッパからも何らかの要請がある可能性もある。
トルコは、その扉を開けていないが、シリア側にいる難民には、テントや食料を供給しており、巨大なテント村ができあがっている。
しかし、問題は、まだアレッポ周辺にいるシリア市民たち30万人である。国連によると、アサド政府軍とロシア軍が、地域にいる反政府勢力を包囲した場合、この30万人も、共に外との連絡がとれなくなり、たちまち食料がなくなるという。
政府軍はロシア軍に助けられて反政府勢力を攻撃し、アレッポ周辺の領域を急速に取り戻している。これに対する反政府勢力は、欧米や湾岸アラブ諸国の支援を受けているのだが、こちらは、地上軍を派遣していないばかりでなく、基本的にISIS攻撃以外の行動はとれないことになっている。
つまり、アレッポ周辺にいるシリア市民30万人を救い出す手だてはないのである。
先日の世界ドナー会議では、予想を上回り、1兆円以上の約束がなされたが、これほど多くの人々を養い続けることは難しい。やはり元を絶たなければならないが、シリア情勢は、混迷を深めるばかりである。