治安閣議の方針が朝、発表され、実施が進む中、今日は、夕方まで比較的問題のない一日になりそうだった。しかし、夕方になり、旧市街ダマスカス門と中央バスステーション前でテロが発生。重傷者が1人出た。
夕方4時ごろ、ダマスカス門で、なにやら落ち着かないアラブ人男性に、治安部隊兵士が気がついた。近づいたところ、ナイフを出して切り掛かって来たため、治安部隊が射殺した。負傷者はなかった。
その数時間後、中央バスステーションのすぐ外、ヤッフォ通りで、15番バスに乗ろうとしていたユダヤ人女性(60歳代)を、パレスチナ人が刺した。犯人は続いてバスに乗り込もうとしたが、運転手がすぐにドアを閉めて中へ入れなかった。テロリストは、駆けつけた警察に撃たれて重傷となった。
夕方の中央バスステーションは、帰宅する人で相当な混雑になる。一時、治安部隊隊員が多数、中央バスステーションに入り、ビル内を捜索し、大混乱になっている。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4711311,00.html
また中央バスステーションは、昨日、ラビが死亡したテロ現場に近いため、一時はその地区にも治安部隊が向った。
テロリストは、東エルサレム、ラッセル・アムード(オリーブ山麓)在住のアフマド・シャアバン(23)。過去にテロ行為で逮捕され、3年の刑期を終えて今年初頭、釈放されていた。
治安閣議で決まった方針によれば、シャアバンの自宅は、すみやかに破壊されることになる。
<テロの波の原因は何か>
月曜、エルサレム北部のピスガット・ゼエブで、13才のユダヤ人少年が、自転車で走行中、13才と15才のパレスチナ少年らにナイフで刺されて重傷を負った。テロリストの少年2人も死亡している。
監視カメラでとらえられたパレスチナ少年たちがナイフを振りかざしている様子が監視カメラでとらえられており、今日、公開された。ショッキングな映像である。(ビデオサイト)
13才の少年が13才の少年をナイフで殺そうとする。これは異常事態である。イスラエル政府プレスオフィスによる記者会見で、治安閣僚会議メンバーであるユバル・ステイニッツ氏は次のように語った。
・・これは憎悪にみちた洗脳だ。ユダヤ人を殺すよう、洗脳している。ハマス、イスラム聖戦だけでなく、パレスチナ人の教育システムや、国営放送のテレビ、特に子供向け番組がそれを行っている。
ユダヤ人は、アラブの敵、イスラムの敵、アル・アクサもすくの敵であり、それを”防衛”する義務があると日々、洗脳している。そうでなければ、パレスチナ人の子供がユダヤ人を殺して殉教者になろうとするはずがない。
政府を代表して語ったステイニッツ氏は、穏健派と目されているアッバス議長を非難した。アッバス議長は、以下のビデオで、完全にテロを奨励しているのがわかる。
<備えはできている!?イスラエル軍> http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4710824,00.html
イスラエルは、常に最悪の事態を想定し、準備を整える国である。現状は、まだ第三インティファーダと言える状況ではないと治安部隊は分析している。
しかし、Yネットによると、イスラエル軍は、2011年からすでに新たなインティファーダに備えて訓練を行っているという。
それによると、12-24時間以内に数千人規模の戦闘員を招集可能。最前線には、現状を迅速に判断できるの兵士を起用し、できるだけパレスチナ人暴徒を傷つけずに、暴動を鎮圧するなどである。
想定訓練はきわめて具体的で、「車両爆弾が、ユダヤ人の子供を満載したバスの横で爆発した場合」、「ヨーロッパ人観光客を満載したミニバスが、偶然ベツレヘムの暴動にまきこまれた場合」、
「400人のパレスチナ人暴徒が、国境警備隊を銃撃しながら、ヘブロンの入植地を襲撃した場合」、「テロリスト4人が、入植地のイシバ学生を人質にとり、たてこもった場合」などである。
しかし、軍隊が強いところには落とし穴もある。聖書によると、ユダの王ヨアシュの時代に、アラムが攻めて来たが、ユダの方が圧倒的に軍事力は上であったのに、負けてしまった事があった。
「アラムの軍勢は少人数で来たが、主が、非常に大きな軍勢を彼らの手に渡されたからである。それはこの人々が、その父祖の神、主を捨てたからである。(第二歴代誌24:24)」と書かれている。今もイスラエルが、強い軍隊だけでなく、肝心の主により頼むことを忘れてはならない。