ISIS撃退を続けるエジプト・カイロで車両爆弾テロ 2015.7.12

先週、シナイ半島でISIS関連の組織がエジプト軍を総攻撃した件。エジプトのシーシ大統領はシナイ半島を軍服姿で電撃訪問し、エジプト軍兵士たちを激励。その後もISISの掃討作戦を続けている。

これまでの報道によると、シナイ半島ですでにISIS戦闘員ら200人を殺害したと伝えられている。

*イスラエルとエジプト

シナイ半島で過激派の掃討を行っているエジプトと、イスラエルの関係が、これまでになく良好であることはお伝えした通りである。

シーシ大統領は、先月、駐イスラエル・エジプトの大使として、ハゼム・カイラット大使をテルアビブに派遣した。エジプトがイスラエルに大使を派遣するのは、2012年に、前ムルシ大統領が大使を呼び戻して以来である。

イスラエルもこれを歓迎している。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4671083,00.html

<カイロ中心で車両爆弾1人死亡>

ISISを含む過激派の掃討作戦を続けるエジプトだが、11日土曜、カイロ市内のイタリア大使館前で大きな車両爆弾テロがあった。少なくとも1人が死亡したと伝えられている。

主都であるカイロ市内でのテロで、強力なエジプト軍でもテロが防げなかったとして、市民はショックを受けているとBBCは伝えている。

www.bbc.com/news/world-middle-east-33491512

<ISISは国である:モルデハイ・ケダール博士>

中東問題の専門家、モルデハイ・ケダール博士(バル・イラン大学)は、世界はイスラム国をISISなどと呼び、「国」とは認めたがらないが、それは誤りだと語っている。

イスラム国は、7世紀に北アフリカ、中東を支配したイスラム帝国をめざしており、着々と「国」の形を整えている。支配体制から、すでに独自の通過まで発行しているのである。

イスラム国を単なる組織とみているだけでは、ちょっとした空爆で撃退できるという甘い勘違いになる。むしろナチスのようなものだと思う方がよい。国をベースとしているということであれば、戦い方も変わってくる。

ISISには、世界の科学者も集まりつつあり、そのうち、化学兵器なども平気で使うようになるだろう。

*別の記事だが、サイバー攻撃は、技術だけでなく、設備がものを言うため、最終的には金を持っている方が有利になるという。ISISが世界一金持ちの組織であるとすれば、やがて世界の情報を大混乱に陥らせることも可能になってしまうだろう。

ケダール博士は、「イランがISISに敵対しているからといって、あてにしてはならない。両者はシーア派とスンニ派で、敵対しているようにみえるが、結局の所、双方ともイスラムで世界を征服するという目標は同じだからである。

空爆だけでは不十分。地上軍が必要だ。世界は目を覚まして、現実を見据え、戦いに備えなければならない。」と警告している。

www.israelnationalnews.com/Articles/Article.aspx/17192#.VaEr3qW9BCu

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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