www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4672041,00.html
23日夜、ガザ地区から、ロケット弾が発射され、アシュケロン地域に着弾した。被害はなかったが、イスラエル空軍が直ちにガザ地区内部、ロケット弾発射地を空爆した。
こうしたガザ地区からの攻撃、イスラエル軍の報復攻撃というパターンは今月11日にも発生している。イスラエルはあくまでも、攻撃には報復を行う方針は変わらないと繰り返しており、戦争は時間の問題かとも懸念される。
今回、犯行声明を出したのは、サラフィストでISISに賛同するオマール軍団なる過激派組織だった。ガザ地区内部では、ハマスの求心力が落ちて、いろいろな組織が群雄割拠し、混乱に陥り始めているとみられている。
しかし、ガザ地区を支配しているのは、これまでのところハマスであるため、イスラエルはハマスの責任だと非難している。
この後25日、ハマスのものと見られるドローン偵察機がイスラエル上空に現れた。爆発物の可能性があったため空軍機が緊急発進したが、撃ち落とす前に墜落している。現在、残骸を調査中。
<ガザからのイスラエルへのラマダン特別入国許可保留へ>
イスラエルは、ラマダン期間中、ガザ地区住民800人に対し、木曜金曜には、エルサレムの神殿の丘での祈ることができるよう、入国許可を出していた。しかし、22日のガザからのロケット攻撃を受けて、すべてキャンセルすると発表した。
これに先立ち、ダマスカス門で国境警備隊員がパレスチナ人に負傷させられたことを受けて、テロリストの出身地、ヘブロンの住民の入国許可もキャンセルしている。
この他の地域のパレスチナ自治区の住民で、許可を得ている人々はエルサレムに来て祈ることができるが、その場合は、検問所からダマスカス門までの直行バスによる往復に限られ、そのままイスラエル国内に残留できないようになっている。
<国連の人権保護団体報告書:昨年のガザ作戦は双方とも戦犯>
www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/.premium-1.662434
22日、UNHRC(国連人権保護委員会)が、200ページに及ぶ報告書を発表した。それによると、イスラエルもハマスも戦犯という結論になっている。イスラエルは、直ちに偏見に満ちた報告だと反発した。
まず第一にハマスはテロ組織であり、イスラエルは正式な国家であるのに、同等に取り扱われているとして、根本的な矛盾を訴えた。
また報告書には、イスラエルが国境付近で負傷者の治療をしようと野営病院を設置していたのに、ハマスが市民が治療に来る事を妨害していた事などは報告に上がっていないなど、様々な不備がある。
こうした偏った内容になるということは前もって予想されたため、イスラエルは、先週、自ら実施した調査・報告書をUNHRCに先が下て発表してていたのである。(6/16オリーブ山便り)
なお、ハマスは報告書がイスラエルを戦犯としたことを歓迎している。
今後どうなるのかだが、ヘブライ大学で国際法の専門家で外務省アドバイザーでもあるロビー・サーベル教授によると、報告書によって、イスラエルのイメージは悪くなるが、たんなる報告書であって実効力はなく、国際法廷がこの報告書を使ってイスラエルを糾弾する証拠資料にもならないとのこと。
この報告書とは直接関係ないが、パレスチナ自治政府は25日、国際法廷にイスラエルの入植地政策、ガザへの政策などが刑事問題にあたるとして正式に訴えを提出している。この裁判は、たとえ始まったとしても5年から10年かかるとの見通し。