誘拐された3人が遺体でみつかったことで、緊急閣議を開いていたネタニヤフ首相と閣僚だが、今後の対策について、紛糾しているもよう。
政府が対策を検討している間も、ガザ地区からはアシュケロンなど、イスラエル南部地域へのロケット攻撃が続いた。一発は、駐車中の車両の着弾している。負傷者はなかったが、空軍が、夜間、ガザ地区内34カ所に空爆を行った。
これは通常の報復空爆の3倍近い空爆だった。これにより、パレスチナ人4人が負傷。1人が行方不明だとガザより。ベネット経財相(右派)は、それでは手ぬるいと反発している。
西岸地区では、先に報じられた容疑者2人の家をイスラエル軍が破壊した。この時にパレスチナ人数百人が投石してイスラエル軍と衝突。手榴弾を投げようとしたパレスチナ人(19)が射殺された。逮捕者は3人。
遺体が見つかってから、ヘブロンへの出入りは閉鎖されている。イスラエル軍は、誘拐した犯人を逮捕するまでは、大軍を駐留させたまま、追跡を続けると言っている。
被害者の葬儀は、本日1日午後、それぞれの入植地で予定されている。
<パレスチナ人の様子>
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、昨日から緊急会議を開いて、ハマスとの統一政府を今後どうするかも含めて、対策を検討している。今のところ、まだ動きはないが、イスラエル、パレスチナ双方で、おそらく最大関心事となっている。
ごく一般のパレスチナ人2人に話を聞いたが、2人とも、パレスチナ世論は今回の誘拐殺人事件を喜んでいると言っていた。
遺体が見つかった月曜夜は、ラマダン初日の断食明けだったこともあり、西岸地区のパレスチナ人たちは、通りでキャンディを配って、3人の死亡を喜んでいたという。
イスラエル側で働くごく普通のパレスチナ人女性は、「3人の若者の死亡は悲しいことだが、入植者たちは、憎まれていると知っていてパレスチナ人のただ中に住んでいる。けんかを売っているようなものだ。イスラエルはこれで思い知って、入植者たちを撤退させるべきだ。」と語った。
また、アッバス議長については、「アッバス議長は弱い。もしハマスとの統一を破棄したら、アッバス議長がパレスチナ庶民から攻撃されるだろう。」と語った。
<国際社会の反応>
国際社会は今のところ、アメリカはじめ、誘拐殺人を非難している。