もめている!?イスラエル政府 2014.7.1 11:00(日本17:00)

誘拐された3人が遺体でみつかったことで、緊急閣議を開いていたネタニヤフ首相と閣僚だが、今後の対策について、紛糾しているもよう。

政府が対策を検討している間も、ガザ地区からはアシュケロンなど、イスラエル南部地域へのロケット攻撃が続いた。一発は、駐車中の車両の着弾している。負傷者はなかったが、空軍が、夜間、ガザ地区内34カ所に空爆を行った。

これは通常の報復空爆の3倍近い空爆だった。これにより、パレスチナ人4人が負傷。1人が行方不明だとガザより。ベネット経財相(右派)は、それでは手ぬるいと反発している。

西岸地区では、先に報じられた容疑者2人の家をイスラエル軍が破壊した。この時にパレスチナ人数百人が投石してイスラエル軍と衝突。手榴弾を投げようとしたパレスチナ人(19)が射殺された。逮捕者は3人。

遺体が見つかってから、ヘブロンへの出入りは閉鎖されている。イスラエル軍は、誘拐した犯人を逮捕するまでは、大軍を駐留させたまま、追跡を続けると言っている。

被害者の葬儀は、本日1日午後、それぞれの入植地で予定されている。

<パレスチナ人の様子>

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、昨日から緊急会議を開いて、ハマスとの統一政府を今後どうするかも含めて、対策を検討している。今のところ、まだ動きはないが、イスラエル、パレスチナ双方で、おそらく最大関心事となっている。

ごく一般のパレスチナ人2人に話を聞いたが、2人とも、パレスチナ世論は今回の誘拐殺人事件を喜んでいると言っていた。

遺体が見つかった月曜夜は、ラマダン初日の断食明けだったこともあり、西岸地区のパレスチナ人たちは、通りでキャンディを配って、3人の死亡を喜んでいたという。

イスラエル側で働くごく普通のパレスチナ人女性は、「3人の若者の死亡は悲しいことだが、入植者たちは、憎まれていると知っていてパレスチナ人のただ中に住んでいる。けんかを売っているようなものだ。イスラエルはこれで思い知って、入植者たちを撤退させるべきだ。」と語った。

また、アッバス議長については、「アッバス議長は弱い。もしハマスとの統一を破棄したら、アッバス議長がパレスチナ庶民から攻撃されるだろう。」と語った。

<国際社会の反応>

国際社会は今のところ、アメリカはじめ、誘拐殺人を非難している。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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