誘拐の3人:遺体で発見 2014.7.1

6月12日に誘拐された3人、エイヤル・エフラチさん(19)、ギラッド・シャアルさん(16)、ナフタリ・フランケルさん(16)の遺体が、6月30日18:00ごろ(日本時間0:00)ヘブロン近郊の草原の穴の中で、発見された。

3人は誘拐直後に射殺されていたもよう。犯人は、遺体と引き換えに、囚人の釈放を要求するため、時をみはからっていたとみられる。

訃報は、まず家族に伝えられた。3家族はそれぞれの自宅にいるが、家族、親しい友人の他は、電話や訪問を控えるようにとの指示が出ている。

<復讐を示唆:ネタニヤフ首相>

現在、ネタニヤフ首相は緊急閣議を開いて、対処を検討中である。その閣議に先立ち、正式な声明として、以下のように述べた。

・・・今、全ユダヤ人はご両親、祖父母、兄弟姉妹の皆さんとともに深い悲しみにあります。全国があなた方とともに泣いています。

私たちは、彼らにふさわしい葬りをします。「小さな子供の血の復讐をサタンはまだしていない。」*とありますが、家族の元へ向かっていた無垢な少年たちがもう帰ってこないということへの復讐もサタンはまだしていません。ハマスは必ずその責任を負わなければならない。」と述べた。

*1900年代初頭に活躍したイスラエルの国民的詩人ハイム・ナフマン・ビアリクが、ポグロムでユダヤ人が虐殺されてことに対し、「口だけで復讐すると言う者はのろわれよ。」と、実際に復讐することを述べた有名な詩の一節から引用している。

つまり、ネタニヤフ首相は、3人の死にふさわしい復讐を行って弔うと言っているのである。

ハマスは、「もしイスラエルが、ハマスに報復するならば、”地獄の門”を開く事になる。」との声明をガザから出している。

<全国に悲しみと怒り>

この訃報が入った後、3人が誘拐された現場や、被害者家族の周辺などで、イスラエル人たちが集まってろうそくをともし、詩編を読むなどして、悲しみを共有している。

昨日、テルアビブで、3人の家族をサポートする集会が行われ、大群衆が集まって、共に3人の無事の帰還を祈ったところだった。昨日の今日だけに、国全体がショックと悲しみ、怒り、これからどうなるのかという不安で満ちている。

今後、どういう対処をするのか、ネタニヤフ首相と閣僚を主が導いてくださるようにお祈りください。また息子たちの無事を昨日まで信じていた家族を覚えてお祈りください。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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