争いの火・拡大中 2014.6.29

<スデロットの工場にロケット弾着弾>

イスラエルが西岸地区で大規模にハマスを摘発しているのを受けて、ガザ地区からは、連日ロケット弾が飛来している。

昨日27日、イスラエル空軍は、テロリストが乗っていた(とイスラエルは主張する)車両をピンポイントで空爆し、パレスチナ人2人が死亡した。

これに対し、安息日の今日28日、ガザ地区から8発のロケット弾がアシュケロンなど南部都市に向けて発射された。うち一発がスデロットの工場を直撃し、21時半現在(日本時間午前3時半)大きく炎上している。

着弾時、工場の中に4人の労働者がいたが、幸い、無事脱出。2人が軽い火傷で治療を受けた。

これに対し、イスラエルは28日夜、ガザ地区への空爆を行っている。

<北部でイスラエルのアラブ人が暴動>

昨日金曜、イスラエル北部のワジ・アラで、アラブ人たちが、イスラエルが西岸地区で行っているハマス一掃に反対する暴動が発生した。

デモ隊は、治安部隊に対して投石。治安部隊は催涙弾などで対処。警察は、対暴徒部隊400人を派遣して暴動を抑えた。

これにより逮捕者は1人。負傷者は少なくとも5人。

<西岸地区では・・・>

西岸地区では、イスラエル軍が、誘拐された3人の捜索とハマスの摘発を昼夜を通して続けている。昨夜も15人を逮捕した。こうしたイスラエルの動きに、国連人権保護団体は「自粛を」と呼びかけている。

ヨーロッパからは、入植地の存在に非難が高まりつつある。誘拐された3人が入植者であることから、同情がだんだん軽んじられ、イスラエルはやりすぎといわれ始めている。

<アフリカ人違法滞在者のデモ>

イスラエルには大勢のスーダンやエリトリアなどのアフリカ諸国から難民と出稼ぎ難民が来て、テルアビブなどで、犯罪の元になってきたため、イスラエルは、昨年から本国へ送還する処置をとってきた。

それでも残っている者約2300人は、南部の収容所に入れたまま、放置した形となった。これに反発したアフリカ人たち約1000人が、出国を求めて昨日から収容所を出て、座り込みのストを始めている。

ネタニヤフ首相は、誘拐事件やイラク情勢など頭痛の種を山のように抱えているが、それにもう一つ加えた形である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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