
オリーブの収穫時期にあたる10月初旬から、西岸地区では、過激ユダヤ人入植者、いわゆる“セトラー”たちによるパレスチナ人家屋や農園などへの攻撃が、急増し、暴力はキリスト教会に及んだこともあった。
ここしばらくの間では、ほぼ毎日のように暴力事件が発生している。
国連の人道問題調整事務所の調べによると、ユダヤ人入植者による暴力事件は、10月だけで、264件に登っていた。
衝突の際には、取材する国際メディアのジャーナリストたちにも被害が及んでおり、外国記者協会(FPA)は、イスラエルに対処を要請している。
こうした中、11月12日(火)には、数十人のセトラーたちが、西岸地区の主要都市、ナブルスとトゥルカレムの間、ベイト・リドや、ダイル・シャラフにある工場や、農業地帯へなだれこんで、大規模な放火を行った。
数人のパレスチナ人に負傷者が出た他、破壊による損害が出ている。
מתנחלים תקפו פלסטינים היום באזור השוכן בין הכפר בית ליד לעיירה כפר קדום pic.twitter.com/SLQyMOOFBY
— תיעודי אלימות ופשעי מלחמה (@arixegal) November 11, 2025
תיעוד נוסף מהמתקפה מאתמול על אזור התעשייה ליד בית ליד: עשרות מתנחלים, רעולי פנים וחלקם עם אלות, מציתים את המשאיות והרכבים pic.twitter.com/a1jeN4MGU5
— Nurit Yohanan (@nurityohanan) November 12, 2025
イスラエル軍が取り押さえに入り、複数の入植者たちを逮捕すると、入植者たちは、イスラエル軍部隊を攻撃。容疑者は逃げ、軍車両1台が破壊された。
最終的にイスラエル軍は、入植者4人を拘束し、警察に引き渡した。しかし、このうち3人は、翌日の12日(水)にはすでに釈放され、残っているのは1人だけとなっている。
暴力に出た入植者たちが逮捕されても、すぐに釈放される背景には、警察庁を管轄するのが、極右政治家のベングヴィル氏がだからである。ネタニヤフ首相も、この件については、ほとんど介入をしていない。これについては、国内外から非難が出ていた。

今回は、イスラエル軍にも被害が出ていたこともあり、ザミール参謀総長も、「イスラエルの民間人が、パレスチナ人とイスラエル人に暴力を働いている。
違法に暴力を振るうこの少数派による犯罪を容認することはできない」と非難する声明を出した。軍は、シンベトとも協力して、取り締まりを強化する。
ヘルツォグ大統領も、「パレスチナ市民やイスラエル軍を攻撃する行為は、少数過激派による攻撃で、赤線を超えた行為だ。
国家の全ての権威をもって、こうした行為は取り押さえなければならない。日夜国を守るイスラエル軍を強化しなければならない」として、大統領の立場での非難声明を出した。
www.timesofisrael.com/settlers-launch-major-west-bank-arson-attack-idf-police-arrest-four-suspects/

(photo credit: MANDEL NGAN/POOL VIA REUTERS)
アメリカのルビオ国務長官は、11月12日(水)、西岸地区での入植者による、明らかに違法なパレスチナ人への攻撃が増加していることについて、ガザで進められている停戦への努力を妨害する可能性があると非難した。
