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今の所イスラエルに好意的?国際社会:イスラエル人74%がイラン攻撃に反対
イランからの攻撃から3日が経過した。イスラエルは、なんらかのイランへの攻撃を行うことについては決定したとのことだが、それがいつ、どのような形になるのかはわからないという、状況が続いている。
今、欧米諸国は、イスラエルのイランへの攻撃を防ごうと奔走しており、程度はわからないが、イランへの経済制裁を再開しようという動きが出ている。
湾岸アラブ諸国も、戦闘の拡大を防ごうと動きはじめている。
この他にも、ハマスが、人質解放について、イスラエルの条件を拒否し、代わりに非現実的な条件を出していることをアメリカが非難したり、国連では、パレスチナ自治政府が国として正式なメンバーシップ要請していることに合意できないなど、イスラエルにとって有利な動きもみられている。
イランが攻撃してきた際には、意外にもヨルダン含め欧米諸国がいっせいに、イスラエルに味方していたことからも、今、イスラエルがイランを攻撃するとしたら、かなり賢くしなければならないだろう。
ヘブライ大学の世論調査では、現時点では、国民の74%が、同盟国との関係を壊してまでイランを攻撃することに反対を表明している。
これは、イスラエルで過越の大型連休が来週から始まることも影響しているかもしれない。
イスラエル軍のハレヴィ参謀総長は、国民に平穏に過越を祝ってもらうため、イランへの攻撃は、過越が終わってからになるとの示唆を含むことを語っている。
過越連休で海外へ出るイスラエル人
イスラエルでは、22日日没から、23日が過越の祭日になるが、その前に安息日があるため、学校はじめ、政府のプレスオフィスを含む政府関係省庁や、ほとんどの企業は、19日から30日まで大型連休シーズンに入る。
企業の中には、24、25、28、29日は、平日対応にするところもあるが、半日業務になるなど、ゆるい感じになる。社会全体がストップするイメージである。
イスラエルでは、毎年、過越休暇を利用して海外へ出る人が多い。3月末のデータ、すなわち、イランの攻撃前ではあるが、ガザとの戦争がまだ継続中の状態で、国外へ出るイスラエル人は、1日平均6万人、4月全体では120万人が、空港を出入り通過すると見られていた。
しかし、イランからの攻撃があった14日、欧米の航空便がキャンセルとなったため、この日、通過したのは、5万6000人予想のうち、3万人だった。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israelis-flock-to-airport-for-passover-vacations-passenger-numbers-down-as-flights-canceled-after-iran-attack/
www.ynetnews.com/travel/article/hjtk10gkc
イスラエル国内は過越準備:嘆きの壁は恒例のクリーニング
イスラエルでは、来週22日の日没後から、30日まで1週間の過越の例祭ウイークに入る。22日は、家族親族が集まり、セデルと呼ばれる過越の儀式と夕食をとり、その後1週間、マッツァと呼ばれる種無しパンを食べる。日本で言えば、正月ほどに重要な例祭である。
*過越の祭り
かつて、ヘブル人(イスラエル人)たちは、エジプトで奴隷であった。イスラエルの神、主は、モーセを指導者として立て、イスラエル人を解放させ、その後国としてのイスラエルになっていくという、聖書の出エジプト記に記録されていることを覚える。なお、これは、ただの物語ではなく、実際の歴史上のことである。
この日に備え、イスラエル人たちは、今、家の掃除をし、種のあるもの(粉ものや、イースト菌入りのパン)を排除したり、食器類を過越用に入れ替えたり、特別な食事の準備に忙しい。
エルサレムの嘆きの壁では、毎年恒例のクリーニングが行われた。嘆きの壁は、かつてイスラエルの神、主がおられたとする神殿の丘の周囲を取り囲む壁の一部である。
神殿の丘は今、イスラムのヨルダンが管理する所となっており、今は特にガザ問題やイランの問題もあり、ユダヤ人が入ることはできなくなっている。このため、ユダヤ人たちは、嘆きの壁の石の間に、神への願い事を書いて挟み込んで帰っている。
その願いの紙を取る作業が行われているのである。毎年、世界中から来たユダヤ人たちの願いが込められていた。通常、壁で排除するメモは、3000部ぐらいだった。
戦争で、海外から訪問する人は減ったが、国内から来て、願いを込めたメモを挟んでいく人が増えたので、部数は逆に増えていたという。
また今は、テクノロジーの時代なので、ネットを通じて、願いのメモを送付することも可能になったことから、届いた願いのメモは、10万部にのぼっているとのこと。最近の危機的状況の中で、多くのユダヤ人が神、主に心を向けていると言えそうである。
www.ynetnews.com/article/rjenwungc#autoplay
イランとイスラエルの対決の背後にある霊的な意味:エルサレムポストのコラムより
NGOスタッフ7人が、イスラエルの誤爆で死亡して以来、イスラエルの孤立が決定的となっていたが、宿敵イランがイスラエルを攻撃したことで、イスラエルは一気に世界からの協力を受ける立場となった。
大きなどんでん返しである。結局のところ、欧米社会(欧米に続く日本のようなアジア諸国も)とイスラエルは、聖書という同じ基盤を持つ、いわば霊的には同じ船にいるのであり、イランは、それとは敵対する勢力である。
イスラエルはその対立の先端にいる防御壁のような存在なので、イスラエルが倒されたら次には欧米社会が、危機に陥ることになるということを自然に察しているのではないかとの分析があった。
とはいえ、欧米のイスラエルとの協力が、長続きしないということは、10月7日の事件の時に、イスラエルはすでに経験ずみである。したがって、この動きを喜んでいるというよりは、慎重に見ながら、次に備えるというところだろうか。。