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人質解放に向けた水面下の交渉
ハマスに囚われている人質は、136人で、小さな幼児も含む一般市民がほとんどという非常に深刻な状況である。イスラエル国内では、人質家族から、停戦してでも、とにかくすぐにも人質を解放するよう、交渉を進めてほしいとの訴えが高まっている。
こうした中、アメリカ、イスラエル、カタール、エジプトの代表たちが、なんとか人質解放への道を探ろうと、水面下で交渉が続けられている。
しかし、ネタニヤフ首相が、強硬姿勢を崩さず、カタールについても「ハマスに現金を支援しているカタールが、そこでいったい何をしているのか」といった声明を出している。カタールからもネタニヤフ首相に反発が出た。
確かにカタールは、ハマスに現金支援など様々な支援をしているだけでなく、ハマス幹部を国内で保護している国である。しかし、だからこそ、ハマスに物申すことができるということなのだが、イスラエルとしては、どうにも納得いかない人物が交渉の場にいるということである。
しかし、実際的には、カタールしかハマスと話せる国はない。水面下での交渉が続けられている中、先週には、ヨーロッパ(おそらくパリ)で、カタール、エジプト、アメリカ、イスラエルの間で交渉が行われた。
アメリカからは、CIAのバーンズ長官、イスラエルからは、諜報機関モサドのバルネア長官が交渉にあたっている。その内容によると、数週間以内に、人質の解放を2段階で、パレスチナ囚人の解放と交換で行うとか、建設的だったとかいう報道が出てくるのではあるが、今のところ、確定した発表はない。
ネタニヤフ首相は、イスラエルとハマス、両者の間には、まだ大きなギャップがあると表明している。
そもそも戦争を終わらせるための交渉:二国家設立への論議
アメリカは、この問題への恒久的な解決には、パレスチナ人の国を設立し、二国家が共存するしかないと言い、パレスチナ自治政府が、ガザも含めて支配する形を表明しており、イスラエルを困惑させている。現状からすると、あまりにも非現実的だからである。
水面下で行われている電話などで進められているとみられる交渉では、様々なトリッキーな形でのガザの戦後情勢が話し合われている模様である。