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アメリカがサウジアラビアとイスラエルとの国交正常化をすすめている中、先にイランとの国交正常化に踏み切り、イランとの関係回復を進めるサウジアラビア。8月22ー24日のBRICSの国際会議で、イランとともに、BRICSに加盟することが決まった。
www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102505.php
BRICSとは
BRICS(Brazil, Russia, India, China, South Africa)とは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカと、グローバルサウス(発展途上77カ国)の中でも特に、2000年代に入ってから急速に経済発展を遂げた国の集まりである。2009年から毎年首脳会議を行なっている。*南アフリカは2011年から
目的は、先進国以外の後進国の純粋に経済の経済発展であり、それ以外のことでは非干渉が原則とされている。ウクライナ問題においても、ロシアへの非難や経済制裁には参加していない。いろいろな面で、欧米中心のG7, G20に対抗する勢力である。
なお、8月の会議に、プーチン大統領はオンラインでの参加で、ロシアからはラブロフ外相が参加していた。
新世界秩序への足音:世界最大の組織へ
今回、6カ国(アルゼンチン、イラン、サウジアラビア、UAE、エジプト、エチオピア)が加盟し、世界の人口と、国土面積の3割を占める大きな組織となる。
加えて、今回23カ国が加盟を申請していたところ、6カ国だけが受け入れられているので、今後、さらに拡大していく可能性が高い。
www.dlri.co.jp/report/macro/273663.html
また、設立以来、特にインドと中国が著しい発展を遂げたことから、BRICSが世界に占めるGDPは、25%と上昇した。
欧米先進国からなるG7のGDPは40%なので、まだ追いつくとまではいかないが、このままだと、2030年までにG7(アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、フランス、カナダ、日本)を追い越すと予想されている。
これまでG7が主導してきた世界経済に新しい秩序が見え始めている様相である。
サウジアラビアとの関係強化を望むアメリカ
こうした状況下で、アメリカは、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化を今も熱心に進めようとしているということである。
まだ実現の見通しまでは行っていないが、サウジアラビアが緊急着陸したイスラエル人旅行者128人を紳士的に扱い、無事帰国させたことからも、その気が全くないということでもなさそうである。
先週、リビアとの国交開始への交渉において、イスラエルの情報取り扱い問題で、リビア国内が暴動となり、交渉が失敗に終わったが、今後、サウジアラビアやその他の中東諸国との交渉になんらかの影響を及ぼすのではないかとも懸念されている。
しかし、そこは超したたかなネタニヤフ首相である。リビアの一件も何か裏があるのか、サウジアラビアとの交渉には影響がないと語っている。
予想だけでなく、理解も難しい世界になりつつある。。。