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イラクはチグリス・ユーフラテス川があり、かつてのエデンの園とも言われる地域を有する国である。その地域では、膨大な旱魃で、ユーフラテス川も干上がっているということはお伝えした通りである。そのイラクがまた、内乱に様相にもなりつつあり、その背後にイランが見え隠れしている。
シーア派どうしで対立するイラク
湾岸諸国はスンニ派、イランはシーア派と明確だが、イラクは、スンニ派、シーア派に加え、クルド勢力など多様である。そのイラクでは、10ヶ月前に昨年、選挙が行われ、サドル潮流と呼ばれるシーア派政党が、議会で最大議席数をとった。
しかし、サドル派は、シーア派ながら、親イラン姿勢には反発しており、シーア派意外とも一致して政権を形成しようとした。ところが、別のシーア派グループ(かつてのマリキ首相に関係するCF)は、親イランなので、これに合流しなかった。結局、サドル潮流は、得票が最大であったにもかかわらず、議会で過半数を確保する連立政権を立ち上げることができなかった。
このため、サドル潮流は、いったん議会から辞職して、外から圧力をかける道を選んだ。イラクでは、以後、前のカーズィミー首相が暫定政権を率いる不安定な中で国を収める形となった。この間、サドル派は、親イラン体制に特に反発するようになり、いづれは、親イラン派のCF勢と対立になると懸念されていた。
サドル派が議会乱入
そうして8月29日、親イラン派CF勢が、政治に乗り出そうとしたことを受けて、サドル派のデモ隊がついに、首都グリーン・ゾーン(かつての米支配中の中心地で、共和党宮殿があり、外交勢力がいるエリア)にある乱入し、クーデターのような様相となった。
イラク国内では、再び戦車が治安維持のために出て、かつての内戦時代に戻るのではとの懸念が広がっている。
無論、イラン問題だげが、イラクの混乱の原因ではないが、イランが大きな要素であることは否定できない。今後、イランがどういう動きをとるのか、アメリカはじめ、イスラエルも注目しているところである
なお、反乱が発生した際、イランは、一時イラクとの国境を閉鎖、フライトもとめたが、今はこの措置を解除している。
www.newsweekjapan.jp/sakai/2022/09/post-24_1.php
イラクは、イランとシリア、ヨルダンの間にあり、サウジアラビアとも国境を接している。イラクの立ち位置がどうなるかは、今後の中東情勢かあん大きな影響を及ぼすことになるとみられる。そのイラクが不安定きわまりない状態にあるということである。
この点からも、イスラエルとアメリカは軍事同盟を強化し、あらゆる事態に備えているということである。