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危機一髪でユダヤ人2人救出:西岸地区ナブルス近郊
西岸地区では、30日、ナブルス近郊のヨシュアの墓と呼ばれる場所に、イスラエルのユダヤ人2人が祈りに入った。(誤って迷い込んだとの記事もある)警察との治安アレンジメントなしであったため、2人は、危機を察し、ただちに車から降りて隠れたという。
車は直ちに爆破され炎上し、2人は1時間草むらなどに隠れたが、銃撃されて負傷した。約1時間後に、イスラエルの治安部隊に保護されたが、2人とも重症である。ただ生きていただけでも奇跡と言われている。
シオニスト会議125周年が、相当な警備が必要であった背景には、このように、イスラエルとパレスチナ人との関係がかなり、憎しみに満ち、悪化しているという現状がある。
2022年中紛争で死亡したパレスチナ人85人以上か:パレスチナ自治政府発表
西岸地区では、最近まで、パレスチナ自治政府に委ねていた治安の維持が、アッバス議長の権威の低下もあって十分でなくなってきたことから、イスラエルが自ら治安部隊を送り込んで、テロ計画を未然に摘発する作戦を行っている。
このため、武力による衝突も頻繁になっているだけでなく、投石やナイフテロなどの単独テロを試みて逆に殺されるパレスチナの若者も増えている。パレスチナ自治政府は、今年に入ってからだけで、イスラエル軍との衝突で死亡したパレスチナ人は、少なくとも85人にのぼると発表した。
その多くは、明らかにイスラエル人に対するテロや、イスラエル軍への敵対行為をした者たちだが、中には、たまたまそこにいて犠牲になった民間人や、アクレさんのような、ジャーナリストも含まれている。
また、アッバス議長は、イスラエルが、テロリスト容疑として、裁判もないまま身柄を確保しているパレスチナ人は600人に上っていると指摘した。
しかし、一方で、パレスチナ人による無差別な市内でのテロ行為で、今年の春に、イスラエル市民19人が死亡したということも忘れてはならない。
この後で、イスラエル軍が、西岸地区への突入作戦による、テログループの摘発や武器密輸の摘発にいっそう力を入れたことで、衝突の頻度やそのレベルも悪化しているということである。写真は、27日に国境で摘発された密輸武器(IDF)
いわゆる、無言の一般大衆パレスチナ人の声はほとんど出てこないのだが、憎しみに支配されているパレスチナ人は、決して少なくない。
こうした憎しみを利用しようとしているのが、イランということかもしれない。