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11月1日にイギリスで始まり、12日までの予定で開催されているCOP26。1、2日の首脳会談が終わり、今2周目に入ってルール作りが行われている。しかし、これまでの様子から、大胆な変革で合意は難しいとの見通しとなっている。
環境問題活動家のグレタ・トゥルーンベリさん(18)は、温室効果ガスの大量排出国であるにもかかわらず、COP26に出席すらしなかった共産圏の米露首脳と、保守的で大胆な改革で合意できなかった民主主義国家首脳たちと双方の指導者を痛烈に批判。
COP26もまた失敗だと訴え、次世代の子供達若者たちこそが大変革を行うと訴えた。
しかし、実際にグレタさんが訴えていることを実現するとすれば、今の首脳たちがすべて集まって、利害を一つとする、つまりは世界が一致していくことしかないようにも思われる。
欧米社会では、今キリスト教など古来からの宗教から人々が離れる傾向がある中、この動きが新たな近代宗教のような機能を果たすようになるのではないかとの分析もある。
いわゆる左派的な動きから発生してくるニューエイジ的なものかもしれない。こうなると、特に聖書とその神にのみ従おうとする人々が社会的にも孤立していく流れも想像できなくもない。
地球温暖化で見え始めた地球の終焉、そして人間が最後までその創造主を認めず、自分の知恵で戦おうとする姿。その中で、創造主の側にたとうとする者たちが、迫害されていく姿も容易に想像できる。以下はこの流れをニュースからまとめてみた。
COP26:地球温暖化対策で世界は変われるか
11月1日からイギリスのグラスゴーで始まったCOP26(気候変動枠組条約締約国会議26回目)。
温暖化が進んでいる地球の気温の上昇率を1.5度から2度までに抑えることを目標に、過去約30年、京都議定書、パリ協定などが締結されてきた。
しかし今、地球温暖化は、進む一方で、このままでは2040年までに1.5度上昇に到達する見通しとなり、世界では地球温暖化による自然災害で多くの死者が発生するようになっている。
問題はもはや、自然保護だけの問題ではなくなり、人類保護の問題になってきたということである。このためには、地球規模で、皆が生き方をかえなければならなくなっている。しかし、それぞれの国にはそれぞれの利害関係があるので、これは容易なことではない。
ともかくも、COP26では、条約締結国197カ国中、120カ国が集まり、それぞれの取り組みについて発表し、これからの一致した方向づけと新たなルール作りの制定に取り組んでいるところである。
*温室効果ガスとその削減、その影響について:まだよくわからない人へおすすめのサイト
www.egmkt.co.jp/column/consumer/20210730_EG_128.html
変わり始めた地球を守るためには、温暖化を最小限にしなければならない。そのために、今世界がやろうとしていることが、温室効果ガスを減らすということである。温室効果ガスとは、太陽から放出される熱を地球に閉じ込めて、地表を温める働きがあるガスのことである。
最大のものは二酸化炭素で、温室効果ガスの76%を占める。(2位がメタンガスで15.8%、次に一酸化に窒素6.2%、フロン類2.0%)
では、二酸化炭素(炭酸ガス)がどこからくるかといえば、その4分の3が、化石燃料(石油、石炭)を燃やすことによって排出されている。
そして、これらの燃料を使って二酸化炭素排出の最大級の原因となっているのが発電で45.1%となっている。
各国は、二酸化炭素の排出を抑えることを世界に約束しているが、風力発電など化石燃料を使わない発電(再生可能エネルギー)への転換が追いつかないので、この冬は、各国でブラックアウトなど大規模な停電になることが懸念されている。日本も然りである。
二酸化炭素排出で、次に多いのが、ガソリンの25.1%、それからガス14.1%となっている。世界は今、ガソリンを使わない電気自動車の開発と普及を急ぐとともに、ヨーロッパでは、飛行機での移動から、以前のような電車での移動に切り替えをはじめている。
この他、木やプラスチックを燃やすことでも二酸化炭素が排出されるので、すでにスーパーで袋がもらえないなどプラスチックの削減がすすめられている。
このように、この問題はたんに環境問題に終わるのではなく、私たちの生活様式や、文化にまで影響を及ぼすということである。今回の、COP26でどのようなルール作りがなされるかで、人々の価値観や、日常生活が変わってくる可能性があるということである。
COP26は成果なしの失敗!?
人類の将来にむけた大きな分岐点と言われたCOP26。もし今、変わることができなければ、世界は収集つかない分裂と混乱の中、気候変動がどんどんすすんで、破滅への道へと進んでいくと考えられている。
これは皆がわかっていることではあるが、やはり予想通り、首脳レベルで、意見は一致できず、思いは同じでも、結局、それぞれがそれぞれの動きをするという形になっている。
もはや大きな動きは見込めないとして、ニューヨークタイムス、ビジネスインサイダーなどアメリカの有力紙は、おおむね成果なし、失敗という分析を出している。主な理由は以下の3点。
www.nytimes.com/article/what-is-cop26-climate-change-summit.html
1)環境破壊の元凶国首脳は出席せず
世界最大の温室効果ガス排出国は中国(28.4%)である。このダントツ排出国である中国の習近平国家首席は、COP26に出席しなかった。また、中国は、多くの国が2050年までに炭素排出量をゼロにすると約束する中、2060年までにと言った。
同じく温室効果ガス排出では、4位ロシアのプーチン大統領も欠席。炭素排出ゼロはこちらも2060年だと言った。3位のインドは2070年である。
この状態では、温暖化を緩和することも期待できないと言われているバイデン大統領は、この温室効果ガス大量排出国上位2国の首脳が欠席したことについて、公に非難を表明した。
なお温暖化ガス上位国は、2位がアメリカ、3位はインドだが、EUを一つとすれば、EUが3位。続いてロシア、日本はその次である。
この状況に対し、地球温暖化で2100年には水没するとも言われているインド洋のモルディブのナシーブ元大統領は不満を表明している。
2)カーボン・オフセットの問題
結局のところ、地球温暖化ガスを排出しているのは、先進国と言われている国々であり、同じ地球にいるというだけで、後進国は、そのつけを払わされるというのがこの問題である。ここに目をつけているのが、カーボン・オフセットと呼ばれるシステムである。
カーボン・オフセットとは、先進国が削減すると約束しながら、どうしても削減できない二酸化炭素量を、後進国の森林を増やすなどのプロジェクトに投資することで、そこからの削減量を自国の削減量に含むというやり方である。
グリーンエネルギー対策が遅れて、化石燃料を使わないわけにはいかない国々にとっては、最後の砦的なシステムである。
カーボン・オフセットは、後進国の経済を助けるという視点から、エコ投資とも言われて、聞こえはよい。しかし、結局、大国が、自国の温暖化ガス削減を徹底しないままということになり、基準もはっきりしないので、「ごまかし」という意味でグリーン・ウオッシュだ呼ばれる。
これは表面を白くすることで下の汚さを誤魔化すことを意味するホワイト・ウオッシュから来ていることばである。
www.egmkt.co.jp/column/consumer/20210730_EG_136.html
3)後進国への支援不十分のまま
地球温暖化は、主に先進国での産業発達で加速しているといえる。その影響で大きな自然災害が発生し、洪水などで大きな被害をうけているのは、貧しく、壊れやすい家屋に住んでいるような後進国の住民である。
このため、先進国は、2020年までに、後進国の開発や災害への準備などにむけて、年間1000億ドルの支援金を拠出すると約束している。しかし、これがまだ達成できていないのである。しかし、これについては、どの国も腰が重く、話はすすまないとみられている。
王様ははだかと叫ぶグレタさん:世界首脳たちを批判
地球温暖化といえば、スウェーデン生まれのグレタ・トゥーンベリさんである。グレタさんは、2017年、15歳から気候変動に関するデモを開始し、今では世界中にその名が知られるようになった。今もまだ19歳である。
グレタさんは、グラスゴーで行われた「未来のための金曜日」行進で訴えを行なった。この行進には、この日学校を休んで親とともに参加した親子連れや若者が少なくとも8000人から1万人はいたと伝えられている。
この行進において、グレタさんは、首脳たちが集まっているCOP26を、失敗と評し、「PRイベントであり、グリーンウオッシュ(ごまかし)の祭典だ。」とこき下ろした。
グレタさんは、「はだかの王様だ。首脳たちは、何が起こっているか、何をしなければならないかを知っている。しかし、真剣に地球温暖化に対応しようとせず、そのふりをして、結局利益の追求を行っているだけ。
これはリーダーシップではない。変革を訴える私たちの行動こそがリーダーシップだ。」と訴えたのであった。
“Many are asking what it’ll take for people in power to wake up. But let’s be clear – they’re already awake. They know exactly what they’re doing. They know exactly what priceless values they’re sacrificing to maintain business as usual.”
My speech from today’s march in Glasgow. t.co/iw2oGYQk0a
— Greta Thunberg (@GretaThunberg) November 5, 2021
ニュースウイークの木村正人氏は、グレタさんが、こどもたちを脱資本主義に誘っているとした記事を出している。木村氏があげているグレタさんの訴えは以下の通りである。
「しかし事実は嘘をつかない。私たちは王様が裸であることを知っている。パリ協定の目標を達成するには人間のコントロールを超えて不可逆的チェーンリアクションが始まるリスクを最小限に抑えなければならない。
そのためには世界がまだ見たことがないような抜本的な温室効果ガス排出量の削減がすぐに必要だ」
「私たちは一つの手段でそれに近づける技術的な解決策を持ち合わせていない。私たちは社会を根本的に変革する必要がある。これは指導者がこの危機について繰り返し言及するのに失敗してきた不愉快な結果だ。
気候や生態系の危機は真空の中で存在しているのではなく、他の危機と直接、結び付いている」
「気候と生態系の危機はもちろん無関係に存在しているわけではない。植民地主義以降に逆上る他の危機や不正と直接結びついている。
ある人は他の人よりも価値があり、それゆえに他の人を盗み、他の人を搾取し、盗む権利があるという考え方に基づく危機だ。根本的な原因を解決せずに、この危機を解決できると考えるのは甘すぎる」
グレタさんが言っていることは、今現在、世界をひっぱっている資本主義のリーダーを無能扱いすることである。これが15歳からこの問題に没頭し、おそらくは、普通に勉強もしていなかった18歳の言動だとすれば、少々恐ろしい感じもする。
木村氏は、グラスゴーがあるスコットランドには、社会主義思考の人々が多いとし、グレタさんが、幼い子供達にもこうした反民主主義思想を子供たちに吹き込むことに懸念を表明している。
具体的な懸念は、将来、良いことをしていると考えて、変革のために世界の指導者たちを暗殺するなどの極端な行動に出るといったことであろう。
www.newsweekjapan.jp/kimura/2021/11/cop26-1_2.php
無論、グレタさん本人がそのようなリーダーになると言っているのではないが、彼女がこの問題に踏み出した経過や、今主張していることを聞くと、18歳の少女とは思えない、するどさがある。
背後になにか霊的な影響があるのだろうかとも思ってしまうほどである。今後も注目すべき動きであろう。
石のひとりごと
今回、COP26について、よくわからない部分もあったので、ちょっと調べてみた。最後まで付き合ってくださった方には感謝申し上げる。
この問題は、今もう被害が始まっているとはいえ、まだ先のことのために、今を変えようとする試みである。大事なことではあるが、自分の死んだ後のことは、どうでもいいと思う人にはまさにどうでもよいことだろう。各国では、もっと深刻な問題もあるだろうし、国民全部がこのことに真剣であるわけではない。
こうなると、現実今の問題にとりくみながら、国家運営をになっている指導者たちが、その今を犠牲にして、未来に備えることは、そう簡単ではない。
実際のところ、人間ができうる対策は、何ができたとしても、もう動きはじめた地球の変動を止めることはことは難しいようにも感じる。
その中で、人類が奮い立ち、この自然の動きになんとか抗おうとしている。今後、地球温暖化に貢献が乏しい国は、今後、経済的にも不利になっていくとも言われており、国々は必死になっている。
自然災害の凶暴化に加え、先進国、後進国と、不平等も明らかになり、世界に対立と争いが起こってくる。やがて全てを統一する指導者が出るしかなくなる。すべての動きの背後で霊的な何かが動いていそうな気配もする。
最近のニュースをみていると、聖書を片手に、世界をみる見張り人の気分になってくる。