明日8日(日)は、キリスト教の五旬節(ペンテコステ)にあたる。この日に、バチカンでは、ペレス大統領とアッバス議長を招いて、共に中東の平和への祈りを捧げることになった。
これは先月、法王フランシスが、イスラエル訪問時に両者に提案していたことである。
しかし、現在、イスラエルとパレスチナの関係は、パレスチナ側がハマスとの統一政府を立ち上げ、その対抗措置としてイスラエルが西岸地区にユダヤ人家屋を1800戸建てると宣言するなど、醜い争いがエスカレート真っ最中である。
そのため、イスラエル政府がペレス大統領のバチカン行きと認めないのではないかと言われていたが、昨夜、招待を断るわけにはいかないとして、ネタニヤフ首相がゴーサインを出し、出席が実現するみこみとなった。
<ユダヤ教、イスラム教、キリスト教>
しかし、この祈り会、たんにイスラエルとパレスチナだけのものではない。法王フランシスは、先にエルサレムの聖墳墓教会で共に祈った東方教会総主教アセナゴラス1世も招いている。
ペレス大統領は、ユダヤ教チーフラビ局の推薦によるラビの代表団と、ドルーズの霊的指導者、イスラム教コミュニティ議長を同伴する。アッバス議長もイスラム教、キリスト教指導者らとともに参加するとみられる。
こんなごちゃまぜでどんな祈りになるのかというと、ユダヤ教はユダヤ教、イスラム教はイスラム教で、それぞれが、創造、赦し、平和という共通のテーマをベースにした祈りを読み上げるのだという。その仲立ちをするのがキリスト教というわけである。
このイベントの最終目標は、ペレス大統領の言葉を借りていうならば、「流血(紛争)が、創造主の名のもとで正当化されてはならない。」つまり、自分の神、信仰を振りかざして殺し合いをすることは間違いであると宣言することである。
ペレス大統領は、これまでも宗教関係指導者が世界平和に貢献できると以前から主張してきたのである。
なお、ペレス大統領は、この2日後の6月10日に退任し、次の大統領に引き継ぐことになっている。しかし、退任後は、Peres Peace Center (ペレス平和センター)に、拠点を移すだけで、その影響力を活用し、これまで通り、いやこれまで以上に自由に活動するだろうと言われている。
<とりなし手の皆様へ>
ペレス大統領の言う趣旨は理解できるし、キリスト教の招きでユダヤ教、イスラム教が、赦しをテーマにして共に祈るということで、福音に目が開かれる可能性もなきにしもあらずである。
しかしはたしてこれでよいのか・・・と、何やら胸騒ぎがする。このイベントにプロテスタントが含まれていないというのも霊的に何かを示唆しているようで気になるところである。
聖霊降臨を記念するこの日に、この動きがいったいなにを意味するのか、主はどうみておられるのか、法王フランシスは何を言うのか、主の前にとりなしが必要と思われます。