パレスチナ統一政府へ対抗措置 2014.6.5

月曜にパレスチナの暫定統一政府が発足したが、イスラエルはこれに報復すると言っている。その”はじまり”として、イスラエルの住宅省は、昨夜、グリーンラインよりパレスチナ側の西岸地区と、東エルサレムに1500戸のユダヤ人家屋を建設すると発表した。

この発表に関して、イスラエル政府内では、「これでは少なすぎて対抗措置にならない」という過激意見が出ている。

一方これに対し、リブニ元交渉担当大臣は、「一軒でもたてることは得策ではない。それによって西岸地区のイスラエル人が危なくなる。報復を受けるのはパレスチナ人ではなくイスラエル人だ。」と反論。もめているようである。

パレスチナのアッバス議長は、「ネタニヤフ首相は嘘つき。彼に2国家建設の意思はない。」と反発。アメリカに対し、イスラエルに厳しい対策をとるよう要請した。

<アメリカはイスラエルの対応を批判>

これを受けて、アメリカのシャピーロ大使は、アメリカの意見として、イスラエルを批判する声明を発表した。

アメリカのケリー国務長官は、ハマス・ファタハ統一政府について、「ハマスは含まれていない」との認識を表明している。確かにパレスチナの今回の統一政府は、文民による組織であり、アクティブに武力闘争しているハマスメンバーが含まれているわけではない。

しかし、ハマスはハマス。イスラエルとしては、ハマスの水が一滴でもある組織を認めるわけにはいかない。ここで認めてしまうと、どこに線引きをするのかがあいまいになるからである。

しかし、アメリカと同様、国際社会は、パレスチナの統一政府を認めている。この問題の舵取りは、今後非常に難しくなってくると思われる。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

コメントを残す

*