爆弾おとしのヤイル・ラピード氏(未来がある党) 2013.5.29

連立を組むときからネタニヤフ首相の頭痛の種だったヤイル・ラピード氏(未来がある党党首)。ユダヤ教超政党派の徴兵に関して、もし今回の法改正で、平等な徴兵制度にならないなら、連立を抜けるとの爆弾落とし宣言を行った。

現在、イスラエル政府は、徴兵に応じない者は収監するというペナルティを、正統派にも課すかどうかで論議しているが、ラピード氏は、他の国民と同様にペナルティを課すべきだと主張。

これに対し、ヤアロン国防相は「脅しで徴兵はできない。またトーラーを学んでいる者を収監するのはどうかと思う。」と主張し、ラピード氏と衝突した。

ラピード氏は、もし正統派にペナルティを課さないなら、平等な徴兵制にはならないと反論。もしペナルティを課さないというなら、連立を抜けると言った。

未来がある党が連立から抜けた場合、連立政権は成り立たない。今、政府を壊すわけにはいかないため、ネタニヤフ首相はヤアロン国防相におれるよう、指示したもようである。今後どのような結論になるのか注目される。

なお、正統派の徴兵問題を巡っては、前政権でもカディマが連立を抜けて分裂するという経過がある。正統派徴兵問題は、代々、政府の運命を握る「地雷」だと言われている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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