緊迫するシリア情勢に備えるイスラエル 2013.5.29

シリアへのヒズボラの介入、力関係を崩すS300のシリア入り、いずれもイスラエルの治安を著しく脅かすものである。特にS300ミサイルは、ベングリオン空港上空で、一般の旅客機を撃墜する可能性もあり、非常に危険である。

29日、ヤアロン国防相は、「ロシアがS300を出庫したかどうかはまだわからない。しかし、S300がシリアに
入ったら、どうするかはわかっている。」と攻撃を示唆する発言を行った。

一方、ガンツ参謀総長は「イスラエルはシリアには極力関わらない。」と発言。ネタニヤフ首相は閣僚らに、メディアのインタビューに不用意に応じないよう伝えた。

<化学兵器に備える訓練>

イスラエルでは、昨日、緊急時のサイレンのテストが行われた。テストだと知っていたためか、誰1人なんのリアクションもなかった。

しかし、平気そうには見えても27日に、メトゥラへレバノンから砲撃があったとのニュースが流れて以来、ガスマスクを受け取り、またはリニューアルする市民が激増している。(アルーツ7)

ガスマスクは郵便局で受け取るのだが、2週間前は、一日に2000セットだったのが、27日には4730セット配布を記録した。郵便局によると、これまでに480万セットを配布したという。

この他、国防軍がガスの攻撃を受けた際の中和剤をまく作業の訓練などを行った。コミュニティセンターや、病院でも訓練が行われている。なお、訓練は明日まで続く予定。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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