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西岸地区では、ニュースに毎回出ていないが、パレスチナ人とイスラエル軍や入植者たちとの衝突が日々発生していると考えた方がよいだろう。
西岸地区ホメシュに戻るユダヤ教神学校をめぐって
西岸地区のホメシュは、宗教右派ユダヤ人たちがイシバを建てて住んでいたが、2005年にガザからイスラエルが撤退した際に、パレスチナ人の土地であり、違法な前哨地であると判断され、同時に撤退させられていた。
今右派政権となり、国会では、今年3月、ホメシュを国有地とし、イシバを再建する方向で合意した。
この5月29日には、西岸地区の治安を指揮下におくスモトリッチ氏が、イシバ再建を許可したことから、ただちにイシバが再建され、ユダヤ人が戻るようになった。
すでに周囲のパレスチナ人との衝突も報告されている。どうやらユダヤ人たちの方が先に、パレスチナ人の家を襲ったもようである。
ユダヤ人男性運転中に射殺テロ
上記事件との直接の関係はないと思われるが、その翌日の5月30日、西岸地区北部ヘルメシュで車を運転していたメイール・タマリさん(32)が、走行中の車からの銃撃を複数受けて死亡した。
テロリストは、ハマスではなく、パレスチナ自治政府に関係するアルアクサ殉教団関連とみられている。タマリさんには、妻と1歳と3歳の子供たちがいた。
www.timesofisrael.com/israeli-man-seriously-hurt-in-apparent-west-bank-terror-shooting/
パレスチナ人との衝突は頻回になっており、毎回報道されるとは限らない。これまでに、パレスチナ人のテロで死亡したイスラエル人は19人。重傷者もいる。一方、パレスチナ人で死亡した人(テロか銃撃戦での死亡)は少なくとも114人に上っている。
www.timesofisrael.com/israeli-man-seriously-hurt-in-apparent-west-bank-terror-shooting/
レバノンのパレスチナ人5人死亡
5月30日、レバノン東部では、パレスチナ難民キャンプで、PFLP所属の司令官2人と隊員3人の計5人が、謎の爆発で死亡した。PFLPは、イスラエルの空爆がったと主張しているが、イスラエルは否定。
www.aljazeera.com/news/2023/5/31/5-palestinian-fighters-killed-in-lebanon-blast-blamed-on-israel
その後、この事件に関する報道はない。
石のひとりごと
西岸地区やレバノンでの記事から、1週間近くになるが、もうだれも覚えてない感じである。
しかし、メイールさんの若い妻や小さい子供たちにとっては、父親を失い、あまりにも突然に時計が止まった状態だろう。
メイールさんが射殺された日の前後で、西岸地区でパレスチナ人の子供が銃撃の犠牲になったという記事があったように記憶しているがもう、ニュースを探し出すことができない。
パレスチナ人たちの中にも家族を失った人が大勢いる。それでも時計は止まることなく、進んでいるということを思わされている。