全世界の新型コロナ感染者は、1日午後3時現在で、3416万人、死者は、101万8000人を超えた。こうした中、超正統派の間で、感染が拡大しているのは、イスラエルだけではない。ニューヨークや、ウクライナでも超正統派の間で、感染が拡大していることが、ニュースになっている。
イギリス、フランス、ドイツ、スペインなどヨーロッパ諸国では第二波の発生が問題になっており、もし、ヨーロッパに住む明らかにユダヤ人とみえる超正統派の間で、感染が拡大した場合、歴史にあったように、世界が反ユダヤ主義に走っていくかもしれない。実際に、極右の不気味な動きも伝えられている。
1)ウクライナ/ウマン訪問超正統派から感染者46人
ウクライナのウマンには、超正統派ハシッド派の開祖であるラビ・ブラスラブの墓があり、毎年新年には超正統派ブラヅラブ派たちが、いっせいに巡礼に訪れる場所である。今年は、コロナの感染拡大も懸念されるため、イスラエルの保健省は、今年はいかないよう要請した。ガムズ教授はかなり懇願したもようである。しかし、巡礼でもあり、それを聞き入れる人々ではない。
ウクライナ政府は、イスラエル政府の要請で、先月の新年祭の際、途中から超正統派の巡礼者を入国させないという方策をとった。ところが、多くの超正統派はあの手この手で、ウクライナが門戸を閉じる前に、ウマン入りを果たしていたのであった。
隣国ベラルーシからは、陸路ウクライナへ向かった超正統派100人余りがいた。入国禁止が出るちょうどその時に越境する途中であった。おそらくは、こうなることを知っていて、あえて越境を試み、押しの一手で、ウクライナに入国すると考えていたのだろう。国境で立ち往生になったが、結局ウクライナには入れずじまいという一件もあった。
しかし、ウマンのラビ・ナフマンの墓地周辺は、今年も超正統派、正統派たち2000人で埋め尽くされていた。ウマンでは、マスクもせずに蜜で集まり、ソーシャルディスタンスもなく、ダンスしていたとのこと。調べによると、ウクライナ入りを試みたのに、入れなかった人は500人だったのこと。
その後、ウクライナやベラルーシからイスラエルへ戻ってきたフライトは17便。帰国時に陽性であった人は46人。それ以外の人も全員2週間の隔離には入っている。
www.jpost.com/israel-news/13-uman-pilgrims-returned-on-flights-to-israel-with-covid-19-643993
ウクライナでは、かつて激しいポグロムがあり、多くのユダヤ人が虐殺された。ホロコースト時代には、キエフ近郊バビ・ヤールの渓谷で、わずか2日間で、3万3771人のユダヤ人が、服をはぎ取られた状態で銃殺されている。
銃殺したのは、ナチスドイツのアインザッツグルッペン、特別部隊であったが、当時のウクライナ人は、ユダヤ人がKGBに協力しているとして憎んでいたため、これに協力していたことで知られている。その渓谷での大虐殺から今年は79年になる。
ウクライナのゼレンスキー大統領(ユダヤ人)は、イスラエルのリブリン大統領もともに、バビ・ヤールでの記念式典に出席。この大虐殺を覚えるメモリアルを立ち上げることで合意した。
ウクライナには、今も水面下で、ユダヤ人を快く思わない感情が続いているといわれる。コロナをきっかけに、また恐ろしい事件にまで発展しないようにととりなしが必要だろう。
2)ニューヨーク超正統派地域で拡大する感染
ニューヨークでも、感染拡大が戻りはじめているが、特にユダヤ教超正統派地域でその傾向が強いことが注目されてる。やはり、新年祭、ヨムキプールで集まったことで感染が拡大したと考えられている。クオモ州知事もこの傾向には注目している。
ラビ指導者たちは、超正統派社会への非難が高まるときして、反ユダヤ主義暴力に注意するよう、ユダヤ人社会に伝えているとのこと。
www.timesofisrael.com/as-virus-rebounds-in-new-york-ultra-orthodox-decry-stigmatization/
3)スカンジナビアでネオナチが反ユダヤ主義デモ
執筆中