リーバーマン経済相が観光ガイドなど観光関連従事者に職種変更を示唆

イスラエルでは、外国人観光客の入国が停止となり、観光業者たちの将来への見通しが再び危ういものとなった。これを受けて、リーバーマン経済相が、ガイドたち観光業者へ、他職種を模索するように述べて、第反発を受けている。

オミクロン株感染67人:イギリス・デンマークとの往来禁止へ

イスラエルで発見されたオミクロン株感染者数は、12日時点で67人となった。このうち44人は、南アフリカ、イギリス、フランス、アメリカ、UAE、ハンガリー、イタリア、ナミビア、トルコからの帰国者であった。

続く14人は、南アフリカ、イギリスとフランスからの帰国者からの感染で、市中感染は9人である。今の所、重症化率は低いのだが、感染率は高く、特にヨーロッパでの感染拡大が深刻になっているため、イスラエル政府はとりあえず2週間としていた感染対策について、延長しただけでなく、一部は強化すると発表した。

まず、外国人の入国を原則2週間停止するとしていたが、これをさらに10日間で延長すると発表。さらに、イギリスとデンマークを赤信号国に指定するとして、これらの国へイスラエル人が往来することも制限することとなった。

イスラエル人で、ワクチンを接種していても、3-7日間の隔離を義務付けるとしている。一つの部屋での入場は、グリーンパスを持つ人のみで50人までとなっているため、教会では一部オンラインに逆戻りしている。

www.ynetnews.com/health_science/article/sydzq0x9f

リーバーマン経済相が観光関連業者へ他職種模索を示唆

こうした中、リーバーマン経済相が、ツアーエージェントや、観光ガイドなど、観光関連の労働者は、他職種を検討するようにと言っているとガイド仲間たちからのニュースが入ってきた。免許更新の手続きも滞ったままとなっている。

ニュースによると、12日、閣議において、リーバーマン経済相が、「旅行会社やツアーガイドについては、正味な話、別の職種を探すべきだ。」と発言していた。これにガイドたちが大反発している。

チャンネル12で、ツアーガイドのヨアブ・ロッテムさんは、「私からガイドの職をとられたら、それは単に職を失うということではない。障害者になるということだ」と訴えている。ロッテムさんは、旅行業は必ず将来、回復するはずだと訴えている。

www.timesofisrael.com/liberman-says-tourism-workers-should-find-a-new-job-amid-ongoing-travel-restrictions/

イスラエルでガイドになる過程はそうとう厳しい。それぞれ人生をかけて学び、働いてきたのである。リーバーマン経済相は、現実の話として発言したのであろうが、受け入れることは難しいだろう。

13日、ベングリオン空港周辺では、外国人の入国を停止したままで、観光業者に十分な補償がなされていないことに反発するデモが行われた。参加したのは、ガイドやバス運転手、旅行会社など。

www.timesofisrael.com/jobless-tourism-workers-protest-travel-bans-demand-compensation/

これからイスラエルの観光業はどうなっていくのだろうか。まだまだ前のようになるには時間がかかるかもしれない。イスラエルの観光業を覚えてとりなしを。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。