ユダヤ教では、この15日から新年祭に入る。新年祭では、多くの超正統ハシッド派の男性たちが、ウクライナのウマンにある、ラビ・ナフマンの墓に墓参することが、宗教的な巡礼、重要行事になっている。
昨年も戦争中にもかかわらず、2万人以上のユダヤ人超正統派たちがウマンを訪問したのであった。今年は、ウクライナのロシアへの反転攻撃が進む中であり、ゼレンスキー大統領は、今年も、安全の保証はできないと言っている。
イスラエルも、正式なウクライナへの渡航勧告はレベル4で、原則渡航禁止としている。しかし、超正統派たちは、神の律法には、厳密に従うが、人の法律には、あまり敬意を払わない人が多いというのが現状である。政府の警告など気にせず、今年も、大勢がウマンに行くものと思われる。
ネタニヤフ首相は、「神はヨーロッパで必ずしもユダヤ人を助けなかった。」(ホロコーストを想定していると思われる)として、今年ウマンに行くことは控えるようにとの声明を出した。
すると、超正統派たちからは、ネタニヤフ首相の発言は神への冒涜だと、激しい怒りが噴き出した。逆に、ウマンへ行く人が増える結果になるかもしれない。。
なお、昨年、警告にもかかわらず、ウマンに行ったユダヤ人たちは、国境で屋外で待たされるなど様々な問題が発生していた。イスラエル政府は、そういった様々な問題に対処するため、400万シェケル(1億5000万円)の経済支援を承認したという。おそらくはユダヤ教政党の圧力によるものだろう。
いわば、渡航しないように警告しながら、渡航者たちの保護の準備をしているという、なんとも矛盾するような方策である。ここにも、政府の混乱を見るようである。
www.timesofisrael.com/netanyahu-warns-against-uman-travel-god-has-not-always-protected-us-in-europe/