<デュマの放火:パレスチナ人一家3人死亡事件の犯人2人逮捕>
パレスチナ人の若者のテロに対し、一時イスラエル軍は、「暴力では解決しない。逆にパレスチナ自治政府警察を支援し、検問所でのしめつけを緩和してはどうか。」との意見を出して、世論からかなり強いバッシングを受けた。
しかし、テロを沈静化する方策としてパレスチナ人の怒りを鎮めようとしているのか、先週、治安組織シン・ベトは、今年7月末にパレスチナ人のダワブシェさん一家3人を放火で殺害したとみられる過激派ユダヤ教徒の若者たちを逮捕した。
過激な若者のグループで、昔から恐れられているのは、Hill top Youthと呼ばれる一派である。この若者たちは、正当派ユダヤ教徒で、軍隊に行かない。いわば、正統派社会にも、一般世俗派社会にもなじめない若者たちである。
こうした若者たちは、思春期の若者独特の徒党を組んでおり、かなりルーズではあるが、一応のリーダーシップも存在する。これらの若者たちに、過激右派らがアプローチし、ユダヤ教過激派グループになっていく。
テロに走るパレスチナ人の子供たちとよく似たパターンだが、こちらは、絶望から来る自殺行為ではなく、異常な国粋主義が動機としてテロに走る。
前期の政府国会では、正統派ユダヤ教政党を政府から排除できたため、正統派の若者も徴兵する方向で準備がすすめられていた。しかし、今期国会、また政府にも、ユダヤ教政党が復帰したため、正統派も徴兵するという案は、基本的に棚上げとなった。
専門家の中には、”残念ながら”、正統派はすすんで社会の一員になるチャンスを逃したと考える人もいる。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4734489,00.html
<モハンマド・アブ・クデール殺害で、ユダヤ人3人起訴へ>
またこれに先立ち、昨年7月に、パレスチナ人ムハンマド・アブ・クデール(16)を、焼き殺したしたとして逮捕されていたユダヤ人3人が、殺人の罪で起訴されることが決まった。このうち、2人はティーンエイジャーであるため、名前は公開されていない。
この2人の叔父で、ヨセフ・ヨセフ・ベン・ハイム(31)は主犯とみられているが、精神鑑定が必要と判断され、殺人で起訴するかどうかの判断は延期されている。
www.nytimes.com/2015/12/01/world/middleeast/muhammad-abu-khdeir-teenagers-convicted-murder.html?_r=0
パレスチナ人のテロの波が続く中、こうしたグループが、今パレスチナ人に対するテロを行えば、イスラエル人へのテロも増え、世界からの非難も高まる事から、このグループをとりしまることは、最優先課題の一つということである。