ブネイ・ブラックを2週間の封鎖ゾーンに指定 2020.4.3

間隔をあけて祈るブネイ・ブラックのユダヤ人男性たち 出展:New York Times /Dan Balilty

イスラエルの感染者は、24時間に646人増えて、6857人、死者は10人増えて36人(これまでで最大)。呼吸器使用者は87人と感染の拡大が続く。

感染者を最も抱えるのはエルサレムで916人だが、ブネイ・ブラックでは、この24時間で、あらたに177人の感染がわかり、900人が感染したことがわかった。エルサレムは、人口約90万人中916人だが、ブネイブラックは、人口20万人中、900人なので、確率はこの町が最も高いことがわかる。

しかし、HMO(国民健康保険のような組織)は、この数字より遥かに大きい、この町の人口の38%、7万5000人がすでに感染しているとみて警鐘をならしている。

www.timesofisrael.com/health-official-says-75000-bnei-brak-residents-likely-have-coronavirus/

このため、イスラエルは、ブネイブラックを、ロックダウン、封鎖ゾーンに置くことを決めた。これにともない、移動制限を監視するためのイスラエル軍1万2000人と軍用車3000台が投入されるが、かなりの防護を施しての投入になるとのこと。

またブネイブラックでハイリスクとなる高齢者4500人は、特別な隔離施設へ移動させる予定。

ニューヨークと同様、イスラエルでも、ユダヤ教超正統派の間で特に感染が拡大していることが、課題として目立ちはじめている。

なお、昨日、超正統派のリッツマン保健相(71)が、新型コロナ感染が明らかとなり、政府高官たちが、濃厚接触者になって隔離しての執務になっている。ネタニヤフ首相も、再度の検査で陰性ではあったが、隔離執務を続けるとのこと。

<隔離している人へのケア:大統領のお話タイムも>

イスラエルでは、陽性でも軽症の人は自宅隔離となっている。医師が遠隔で経過観察する他、救急隊のホットラインを通じて、必要時は、救急隊が、本人が医療施設へ行くのではなく、その人の自宅へ向かうことになっている。少なくともいまのところは、これができているようである。

また来週からの過越の祭のために、様々なチャリティ団体が、毎年と同様、過越用の食料を必要な家庭に届ける作戦を行っている。日本でおなじみのブリッジス・フォー・ピースも活動を継続している。ボランティアたちの健康が守られ、人々の希望を届けられるように。

www.jpost.com/israel-news/15000-families-receive-kimcha-dpischa-passover-food-bundles-623208

最後になるが、筆者は個人的に、リブリン大統領のファン。昨年奥様を亡くされ、悲しみに中にあると思われるが、休みも取らず、執務はしかり継続されている。そのリブリン大統領が、この緊張の中で、こどもたちにむけて本を読むというビデオクリップをアップした。

なんとも癒される人である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。