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5日夕刻:テルアビブのカフェ通りでテロ・警察官1人死亡
西岸地区で過激入植者(セトラー)が、パレスチナ人(19)を射殺した翌日5日、テルアビブのカフェ通りで、銃撃テロが発生。パトロールしていた警察官のヘン・アミールさん(42)が死亡した。
アミールさんは怪しい動きをしていたパレスチナ人を取り調べようとして撃たれたという。一緒にいた相棒の警察官が、ただちにテロリストを射殺して、それ以上の悲劇は防がれた形となった。
犯行に及んだのは、イスラム聖戦所属のカーメル・アブ・バクル(22)。ジェニンに近いルマナに住んでおり、西岸地区でイスラエル軍に発砲したとして、半年前から指名手配となっていた人物だった。
バクルは、「殉教」を覚悟する手紙を持っていた。毎週土曜、安息日明けに行われている反司法制度改革デモに参加する大群衆の中でテロを決行する予定であった可能性も指摘されている。
しかし、そんな人物が、前日の西岸地区でのパレスチナ人殺害事件後で、特に警備が高まっている中、どうやって、テルアビブ市内に入っていたことが問題視されている。
www.timesofisrael.com/terrorist-critically-wounds-security-guard-in-tel-aviv-is-shot-by-2nd-officer/
殉職したヘン・アミールさんは、妻のべレッド・アサヤグ・アミールと3人の子供の父だった。葬儀は6日(日)に行われたが、子供たちは、お父さんはいつ帰ってくるのかと言っているという。
べレッドさんは、アミールさんが、常に人を助けるために最初に動く人だったので、家の引き出しは感謝状でいっぱいだという。「彼は命を助け、人々を助けました。」と語っている。
www.timesofisrael.com/a-national-hero-funeral-held-for-patrolman-killed-in-tel-aviv-terror-attack/
以下はアミールさんの葬儀の様子
5日(土曜)31回目反司法制度デモはテルアビブでも決行:10万人以上参加
毎週安息日明けに行われている反司法制度デモは、今週で31回目となる。今週のデモは、テルアビブで銃撃テロが発生した数時間後であったが、警察はこれをキャンセルせず、治安確保した上で、決行することを決めた。
しかし、デモは、警備する警察を増やし、大きな音での音楽は鳴らさないなどの対策や、緊急時に備え、道路封鎖は行わないなどの対策がとられたとのこと。
6日(日)ジェニン付近でイスラエルに向かうテロ組織を阻止:パレスチナ人3人死亡
テルアビブでの一連の事件の翌日6日(日)、西岸地区のジェニンから、イスラエルへ向かっていたとみられるテログループの車を、イスラエル軍が攻撃。パレスチナ人3人が死亡した。
シンベト(イスラエル国内治安組織)の綿密な調べにより、ジェニンのナイフ・アブ・サイアス(26)と二人が、入植地エリアで走行するユダヤ人車両への銃撃を行う計画を立てていることが発覚したため、待ち伏せして、これを防御した形である。
西岸地区で、ユダヤ人が走行中に銃殺される事件を含め、今年に入ってからテロ犠牲になったユダヤ人は26人に上っている。一方で、その反撃で死亡したパレスチナ人は、これで167人となった。
www.timesofisrael.com/troops-kill-3-palestinian-gunmen-en-route-to-carry-out-attack-near-jenin-idf/
なお、イスラエル軍は、テルアビブでアミールさんを殺害したテロリストたちの家を破壊するべく、その位置確認を終えたという。またジェニンあたりで、大きな衝突になる可能性が懸念されるところである。
石のひとりごと
イスラエルの一般社会の日常生活は、おおむね変わりなくいとなわれていると思われるが、どうにもほころびがあちこちで発生しており、深刻すぎる大人の喧嘩があって、それが時に命に関わる時代になっている。双方、絶対に譲れないのである。
イスラエル人たちは、国の存続という大問題をだれもが認識しているので、日本ほどに個人の生活のみに目をむけることができないというのが現状なのだろう。休みも返上して、暑い中、社会のためにデモに出かけていく人々。パレスチナ人もまたそのイデオロギーを持って死をかける行動に出る。
人間の愚かさを思うとともに、まったく「おひとりさま」文化になっている日本にないものもそこに見るようで、複雑な思いもなきにしもあらず。。誤解のないように、デモやテロを奨励しているわけではない。