本日からスイスのダボスで行われている世界経済フォーラムの年次総会。この会議に、イランのロハニ大統領が出席し、国際社会への2回目となるアピールを行った。
ロハニ大統領は、「イランの経済は、世界10位以内に入る可能性がある。イランは経済の発展に欠かせない諸国との関係拡大の用意がある。」とのメッセージを語った。
また中東近隣諸国との関係を拡大すること、シリアの人権を守り、パレスチナ人の権利を守ること、湾岸諸国の治安の維持、テロや過激派との戦いに貢献すると語った。
核については、「イランは原子力を防衛目的で使わないと語り、イランも世界40カ国のように原子力の平和利用をする権利がある」と訴えた。
<イスラエルの反応>
このフォーラムに、イスラエルからは異例にもペレス大統領とネタニヤフ首相がそろって出席している。
ロハニ大統領のスピーチを受けて、ネタニヤフ首相は、「イランは続けて世界をだまそうとしている。シリアの内戦に言及しながら、背後では、アサド政権とヒズボラを支援している。
近隣諸国との関係改善といいながら、いまだにイスラエルの存在を認めようとしない。」とのコメントを出した。
ペレス大統領も記者会見を行い、「ロハニ大統領は、シリアの内戦を停止させるために、ヒズボラへの武器や資金の提供を辞めるとは言わなかった。平和への大きなチャンスを逃した。」と語った。
*イランの核問題・その後
イランでは先週から、高濃度濃縮ウランの処分が始まり、昨年11月に国際社会と合意した6ヶ月の暫定合意を正式にスタートした形となっている。
しかしイランのザリフ外相は、昨日、CNNのインタビューに答えて、「アメリカ政府が、イランが核施設の解体を始めたとの発表をしたが、それは間違い。合意事項の中に、いかなる施設の解体も含まれていなかった。」と訴えた。
これはつまり、イランが、核開発をすべて元に戻すと決めれば、その可能性はそのまま残すということを意味している。核兵器開発かどうかは別として、イランに核開発を放棄する気はないということである。