イスラエルがウクライナ国内に野戦病院準備中:コロナ感染も懸念 2022.3.7

緊急時には素早く医療支援に向かうイスラエル。5日、保健省が、ウクライナ国内に、野戦病院を数日中に稼働させると発表した。治安上の理由か、どこに設立するのかは発表されていないが、ウクライナ国内とのこと(リビウ?)。ただ状況から、軍による医療部隊ではなく、シェバ・ホスピタルなど、民間人によるものと強調している。

テントでできた病院には、ER(救急室)のほか出産室、小児科病棟もある。

先にイスラエルが、ウクライナに送った100トンの人道支援物資の中には、17トン分の医療物資や医療機器、薬、20万人を対象とした浄水機、10万人用の緊急吸水機、3000人分の冬用のテント、住居と、毛布1万5000人分、寝袋3000人分、冬用ジャケット2700人分となっている。

www.timesofisrael.com/israel-to-establish-a-field-hospital-in-war-ravaged-ukraine-next-week/

<ウクライナで広がるコロナ感染懸念>

ロシア侵攻で、ウクライナではもはやコロナどころではなくなった。しかし、ウクライナのコロナ感染は、CNNが、ジョンズ・ホプキンス大の集計として伝えたところによると、先月4日時点で、1日4万5000人にのぼっていたという。一方、ワクチンの接種率はわずか34%である。

ウクライナでは、酸素工場が閉鎖に追い込まれており、感染者の治療に必要な酸素も不足しているという。もはや実情はわかりかねるが、固まって避難する人々の間で、コロナ感染が拡大していくことをWHOは懸念している。イスラエルの野戦病院もこの点は、よく準備しなければならないだろう。

www.cnn.co.jp/world/35184483.html

また難民として、受け入れる国々も同様である。本当に、早く終わらせなければ、問題はどんどん深まり、さまざまな分野へ拡大していってしまうようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。