ガザ全土へ陸海空で攻撃再開・ハマス指導者2人死亡:ガザからテルアビブへもロケット弾 2023..12.4

ガザを攻撃するイスラエル軍(IDFDecember 3, 2023 (Israel Defense Forces)

ガザ南部・全土でハマスを攻撃中・地上軍もまもなくか

休戦から7日後の12月2日、停戦が破綻して以来、イスラエルは、ガザ南部カンユニス含め全国への攻撃を継続している。イスラエルは空軍と陸軍の協調の中、戦闘開始から、今現在までの空爆が1万回に達したと発表している。

イスラエル軍によると、これまでに摘発したトンネルは800本。このうち500本はすでに破壊したとのこと。

videoidf.azureedge.net/473f5212-ce80-4484-9a92-36754df36b20

ハレヴィ参謀総長、ロネン・バル国内諜報部(シンベト)長官は、これからも地上軍による攻撃を続けることで合意した。また海外にいるハマスリーダーも標的にすることを明らかにした。

www.timesofisrael.com/in-recording-shin-bet-chief-vows-to-kill-hamas-chiefs-in-lebanon-turkey-qatar/

ガザ指導者2人含む700人死亡(ガザ報告)

ガザからの報告によると、戦闘再開から24時間で700人が死亡し、多数が負傷している。*戦闘員と民間人の区別はない。

ハガリ報道官によると、イスラエル軍の攻撃で、ハマス大隊司令官ウィサム・ファルハットとハイサム・クワジャリが死亡したと発表した。10月7日のイスラエル侵入の際は、この2人は指揮していたとみられる。また、ファルハットは特に2014年のシャジャイヤ問題に関わっていたことがわかっている。

www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-776389

*ガザ市シャジャイヤでの戦闘(2014)
ファルハットは、2014年のガザとイスラエルの戦闘の際、ガザ市シャジャイヤ地区でイスラエル兵7人を殺害。この時、イスラエル兵オロン・シャウルさんを拉致し、一時人質交換に利用するのではないかと報じられた。しかしその数日後、オロンさんの死亡が確認された。

この後、もう一人のイスラエル兵ハダル・ゴールディンさんが殺され、ハマスは、オロンさんとハダルさんの遺体を使って、パレスチナ囚人の釈放を試みたが、イスラエルはこれに応じないまま今に至っている。家族はずっとその返還を訴えていた。

 

スデロット、アシュケロン、テルアビブにもロケット弾

一方、ガザからのロケット弾も飛来しており、2日夜9時ごろは、テルアビブ周辺エリア全体に大量のロケット弾が発射された。ちょうど人質解放を求める大規模デモが行われていたが、負傷者はなし。しかし、迎撃ミサイル1発が、迎撃に失敗してホロンに落下した。男性が軽傷を負ったが、大きな被害は報告されていない。

イスラエル兵5人戦死

これまでに戦死したイスラエル兵は5人。アシュカルー・サマ軍曹(20)とオール・ブランデス一等軍曹(25・予備)サマ軍曹は先月負傷して治療していたが死亡した。ブランデス軍曹は、ガザ中央での戦闘で死亡した。オールさんの叔母のナバさんは、Xで「私たち家族にも順番が来た」と書き込んでいた。

また3日になり戦死が確認されたのは、ナリヤ・シャエル一少佐(空挺旅団・36)、ベン・ズスマン軍曹(偵察部隊・光学戦闘員22)、ビンヤミン・イエホシュア・ニーダム軍曹(工学戦闘員19)すでに家族に通知されたとのこと。

ハマスとの戦闘が始まってから、戦死したイスラエル兵は401人で、このうち75人は、地上での戦闘で亡くなっていた。

www.timesofisrael.com/idf-announces-deaths-of-2-more-soldiers-in-gaza-fighting/

オースティン米国防相の警告:民間人が守られることによってのみ勝利が得られる

Washington, November 22, 2023. (Cliff Owen/AP)

停戦が破綻したことについて、アメリカは、ハマスが約束を守らなかったという、イスラエルを支持する立場である。

しかし、オースティン国防相は、アメリカが、イラクでISISと市街戦を戦った時の「教訓」だとして、市街戦では、民間人を守ることで、勝利が得られるのではなく、民間人を守ることによってのみ、勝利が得られるということだ」と警告した。

www.timesofisrael.com/us-defense-chief-says-israel-will-only-win-in-gaza-if-civilians-are-protected/

ガザの民間人は、40%近くが14歳以下の子供である。民間人の巻き添えは子供を巻き添えにする確率が高い。ブリンケン国務長官と同様、イスラエルの友であるがゆえの指摘ではないかと思う。

カタールでの交渉:アメリカとカタールは人質返還を模索

イスラエルは2日土曜、ハマスが約束していた女性と子供全員の解放を守らなかったと発表。ネタニヤフ首相は、人の命をなんとも思わないデビルと交渉はできない。」と断言し、交渉に派遣していたチームをイスラエルへ召喚した。

一方ハマスも、もはや戦争が終わるまで、人質交換はありえないとの声明を出した。双方が、交渉停止と戦闘再開で合意した形である。

こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は、カタールのアル・サーニー首相と会談。すべての人質の安全と帰還に向けての話し合いを行った。まだなんとか停戦に持ち込もうとしているようである。

www.timesofisrael.com/liveblog-december-4-2023/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。