イスラエルの核兵器非難決議、すれすれ回避 2013.9.22

現在、国連では様々な会議が進行中だ。一つはIAEA加盟国196カ国の会議。アラブ諸国がイスラエルも核拡散条約(NPT)に加盟するべきとの議題を提出。審議が行われた。

イスラエルは、核を持っているとも持っていないとも明確にはしていないが、持っているのはほぼ確実と考えられている。保持する核弾頭は80発とも言われる。

イスラエルは核拡散条約に加盟していない上、IAEAの査察も一部を除いては逃れるしくみになっている。こうした状況に対し、非難決議を出して、イスラエルにもNPTへの加入を義務づけようとしていたのである。

しかし審議の結果、反対51 賛成43 棄権32とぎりぎりで非難決議を逃れた。

イスラエルは、核の保持からどのぐらいあるのかまで、すべてを謎にしている。それで中東諸国がイスラエル攻撃に慎重となり、なんとか平和が保たれているのである。

核拡散条約に加盟したら、これまでのように謎にしておくことができなり、場合によっては非核化をせまられる可能性がある。これは逆に危険。

イスラエルは核兵器OK,イランは核兵器NOというところに、なんとなく不公平感は残るが、”平和維持のため”に、イスラエルを非核化させてはならないということである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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