20日、ICC(国際刑事裁判所)のファトウ・ベンソウダ主任検事は、イスラエルが東エルサレムとガザで戦犯を犯していると判断しうる事実があるとして、捜査を進めていくと発表した。具体的には、入植地のポリシーと、2014年のガザとの戦争が主な調査対象になるという。
ただし、ベンソウダ検事は、ハマスとその他のパレスチナ人組織についても、市民をターゲットにしたり、拷問をするなどの戦犯にあたる材料があるとして、こちらも捜査をすすめると言っている。
ハマス、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、これを「歴史的」と評し、歓迎すると発表した。
一方、ネタニヤフ首相は、「ICCは、正式な国が対象になっているはず。パレスチナという国はいまだに存在したことがないのに、それを対象にするのは、政治的な意図であり、不条理だ。ICCは、ユダヤ人が、聖書の地、父祖の地に住んでいることを戦犯と言っている。」と怒りをもって反発した。
www.timesofisrael.com/hamas-praises-icc-for-readying-probe-of-alleged-war-crimes-by-israel-and-it/
ベンソウダ検事の発表に先立ち、イスラエルのマンデルビット司法長官は、「裁判所に政治的なことを捜査する権限はない。パレスチナ人は、裁判所に圧力をかけて、交渉によって解決すべき政治的な問題を、犯罪という形にすり替えようとしている。」と反論した。
今またこのような問題が噴出しているのは、ネタニヤフ首相が、選挙に勝った暁には、ヨルダン渓谷を併合すると発表するなど、右派路線を強調していることで、パレスチナ人の間に、危機感が高まったかもしれない。
これから先どうなるかは不明だが、相変わらず、世界からのイスラエルへの風当たりは厳しいということに変わりはない。
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