労働力になるAIロボット開発:イスラエル・日本合弁会社

A visual inspection AI-controlled robot developed by MusashiAI, which is a joint venture set up by Israel’s SixAI Ltd., the firm of Israeli tech entrepreneur Ran Poliakine, and Japan’s Musashi Seimitsu, an affiliate company of the giant Honda Motor Corporation (Courtesy)

2015年に、安倍首相がビジネスマンを伴ってイスラエルを訪問。以後、ビジネスだけでなく、技術開発においても、日本とイスラエルの関係は急速に深まっている。

日本からイスラエル企業への投資は、2013年は11億円だったが、2016年には20倍の222億円。2017年は1251億円である。(ジェトロ)

このため、イスラエルで稼働している日本企業は、現時点で70社以上。日本の5大商社もイスラエルに拠点を構えている。一方、日本で稼働するイスラエル企業は100社。両国の交易は前年度に比べて40%増えた。(在日イスラエル大使館調べ)

また特に驚きは、日本とイスラエルが、防衛装備、技術に関する秘密保護に関する覚書に署名し、防衛の分野においても協力が進んでいるという点である。

www.mod.go.jp/j/press/news/2019/09/10a.html

来年3月からは、成田からテルアビブへの直行便が、週3回で就航することになっており、関係はさらに進むと期待されている。

www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000543.pdf#search=%27日本からイスラエルへの投資%27

ただし、イスラエルとの関係において、日本は、中国、韓国、台湾にも大きく遅れをとっており、いまなおこの3国には及んでいないということも付け加えておく。

こうした中、イスラエルと日本の企業が協力して開発したAI労働ロボットの”派遣”が話題となっている。

会社名は、MusashiAI 日本の武蔵精密工業(本田技研関係企業)と、イスラエルのSixAI Ltdの合弁会社で、第4の産業革命と称し、工場のオートメーション化をすすめている。

その中で、開発したのが、かなり自立しているAIロボットで、人間には厳しい環境下でも働くことのできる”人材”になるという。

www.timesofisrael.com/short-staffed-at-factory-japanese-israeli-venture-offers-robots-for-hire/

ビジネスの形はどんどん進化しており、筆者にはわかりかねる分野ではあるが、技術面では遅れをとっている日本もイスラエルのスタートアップに触れて、本来の日本人の器用さを発揮して、世界を率いる技術国に帰り咲いてほしいものである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。