イスラエルは国際社会、特にアラブ諸国ではご法度とも言える存在である。2016年夏のオリンピックで、イスラエルの柔道の選手が、エジプトの選手から握手を拒否されたことが話題となったが、再び柔道でのイスラエル拒否の話題がニュースを賑わした。
<イスラエル国歌・国旗掲揚拒否:アラブ首長国連邦柔道大会>
10月23日から開催された、アラブ首長国連邦のアブダビで行われた柔道連合の国際大会に、イスラエルの選手12人が出場。タル・フリッカー選手(66kg)が、金メダルを、ギリ・コーヘン選手(52kg)など4人が銅メダルを獲得し、計5つのメダルを獲得する好成績を残した。
スポーツイベントではあったが、アラブ首長国連邦は、イスラエルとは国交がないため、イスラエルの国名は放送されず、国旗はじめ、いかなるシンボルも表記しないとの約束での参加であったという。
フリッカー選手が金メダルを獲得した時、イスラエルの国旗のかわりに、大会旗が掲げられ、国家ハティクバの代わりに大会歌が流された。この時、フリッカー選手が、口パクでハティクバを歌っているのが報じられ、話題となった。
フリッカー選手は、後にどう感じたか聞かれ、「国旗があろうがなかろうが、どちらでもうれしい。皆僕がイスラエル人であることは知っている。だれにもイスラエルは止められないということはあきらかだ。」と語った。
www.haaretz.com/israel-news/sports/1.819450
この後、アラブ首長国連邦の柔道協会が、上記のような状況であったことを、イスラエルの柔道協会に謝罪し、次回は、国名が出されるよう願っていると伝えたという。
なお、イスラエル選手らは、ビザの問題でアブダビへの入国が1日遅れたものの、選手としての取り扱いは、他国と同様に丁寧なものであったという。
www.timesofisrael.com/uae-apologizes-to-israel-for-judo-handshake-snub/
<イスラエルの観光大盛況>
イスラエルは、この土曜に、今年初めてとなる雨が降った。しかし日々、非常によい天気で気候は快適そのものである。そのためか、各地の観光地は超大混雑となっている。
10月半ば、南部死海地方、ヘロデ大王の要塞マサダ(世界遺産)では、ロープウェイでサイトに上がるだけで1時間まち。リフトの順番待ちをしている群衆の様子は、まるで東京の朝のラッシュ時の様相だった。
同じ死海地方のクムランでは、ちょうど昼頃、ランチに押しかけた観光客グループで超満員。レストランの入り口は、おしくらまんじゅうのカオス。レストランに入る順番待ちの列は、隣接する土産物売り場から入り口付近まで続いていた。しかしそこは欧米の観光客。いらいらせず、けっこう余裕で並んでいた。
結局、筆者のグループがランチにありついたのは、ゆうに2時をまわっていただろうか。レストランとはいえ、バイキングである。アラビア語を話すウエイターらが食後のお皿を何枚を重ねて、走り回って片付けている。当然、レストラン内部は非常にやかましく、床もごみがけっこうさんらん状態。お客様には申し訳ないランチであった。大型観光バスも止める場所がないほどで、経験30年のベテランバス運転手が、「こんなの初めて見た。」と言っていた。
ところで、この地域にはアハバ化粧品の工場があるが、西岸地区にあるということで、日本を含め多くの国でボイコットの対象にされている。しかし、観光客は、この大混雑のなかでも、大量にアハバを買っているようである。
この状態は、一般には危険とも思われる地域の観光地も同じである。友人のガイドがベツレヘムから送ってきた写真をみると、イエス誕生のスポットなる地下の小さい部屋に入るのにこちらも大おしくらまんじゅう状態。エルサレムでは、神殿の丘に入りたい観光客の列が、城壁の外にまで至るしまつであった。
イスラエルへの観光客はクリスチャンが多い。昨日はエルサレム・アッセンブリーでの礼拝に行ったが、観光客が大型バスで礼拝に来るので、教会まで大混雑。せまい廊下は、トイレ、食堂へと進むクリスチャンたちで大渋滞だった。筆者は、お茶ものまずに帰宅した。
どういうわけか、イスラエルは嫌われる国なのだが、実質的には、また最終的には、イスラエルは祝福される結果になるように思う。遠くから政治的にイスラエルを嫌う方が、ばかげていると思えるときがある。これはイスラエルに住んでいる筆者の個人的な感想だが。。。