18日に発生したエルサレムの爆破テロ(バス2台と乗用車1台炎上・21人負傷)に関する情報は、今もまだ報道規制がしかれているので詳細は不明。しかし、パレスチナ・メディアなどから、徐々に事件の詳細が明らかになりつつある。
それによると、テロリストは、複数の車両が炎上するよう、ガソリンタンクのあるバス12番の後部に爆弾を仕掛けて、遠方から爆破する計画だったものが、想定外に早く爆発したとみられる。
このため、テロリスト自身が、重傷者2人のうち1人となり、イスラエルの病院で治療を受けていたが、水曜朝、両足切断、全身火傷などにより死亡した。
するとハマスが、バスを爆破したのはハマス戦闘員だったと犯行声明を出した。パレスチナメディアによると、爆破テロを行ったのは、ベツレヘム近郊のアイーダ難民キャンプに住むアブ・サルール(19)。
www.maannews.com/Content.aspx?id=771224
Yネットによると、サルールは殉教者として公表され、家族親族100人以上が、スイーツを配って”テロ成功”を祝ったという。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4794447,00.html
また、エルサレムポストによると、水曜、パレスチナ人数百人が、サルールの実家周辺で、爆破テロを支持するデモを行った。デモ隊は、「イスラエルがサルールの遺体を家族の戻して埋葬するまではいかなる慰めも受けない。」と叫んだ。
イスラエル当局は、調査中であるとしてまだ報道規制を解除しておらず、サルールがテロリストと認める声明は出していない。
<エルサレム住民の様子>
今回のバスの爆破は、エルサレム住民に、2000年代の第二インティファーダのほうふつとさせる出来事だった。しかし、バスはエルサレム市民にとっては足である。乗らないわけにはいかない。爆破テロの翌日も、普段と変わらないバスの利用状況だったという。
ハマスは、テロはもっと続くと脅迫している。しかし、パレスチナ人の多くが、「第二インティファーダでの連続自爆テロでは、何も得るものないと学んだ。」と公式に語っていることと、治安部隊も以前より警戒しているので、以前のように爆弾テロが連続すると恐れる必要はないかもしれない。
しかし、一回発生した以上、爆弾テロはいつどこで発生し、だれが巻き添えになるかはまったく予測不能である。心理的な影響は大きい。今後、バスに乗る際には、一息考え、祈ることになりそうである。
<爆弾製造設備を摘発>
治安部隊は続けて西岸地区、東エルサレムでのテロ未然摘発作戦を行っている。その中で、水曜未明、東エルサレムのアブ・ディスで、パイプ爆弾や、武器を製造する設備と複数の武器を摘発し、容疑者1人を逮捕した。
治安部隊は、この数ヶ月の間に、同様の武器製造設備2台をヘブロンでも摘発している。