西岸地区でのテロ:婚約者守ってユダヤ人警備員(23)死亡

4月29日金曜夜、西岸地区最大のユダヤ人地区アリエル市の入り口で、銃撃テロが発生。警備員をしていたヤチェスラヴ・ゴレヴさん(23)が死亡した。

テロが発生したとき、ゴレヴさんは、数週間前に婚約していたフィアンセのビクトリアさんを自分の体で守って銃撃を受けたという。ビクトリアさんは無傷だった。

ゴレヴさんは、アリエル大学で学んだことから、最近、ビクトリアさんとともに移住していた。遺族は、ビクトリアさんの他、ベイト・シェメシュにいる両親と5人の兄弟。

イスラエルでは先月、相次ぐテロで、ユダヤ人15人が死亡していた。しかし、その後の治安部隊の踏み込み捜査などでの衝突で、パレスチナ人26人が死亡している。

www.timesofisrael.com/security-guard-killed-in-ariel-terror-attack-named-as-vyacheslav-golev/

<ハマスが犯行声明>

治安部隊は、約20時間後、西岸地区で、犯人とみられるパレスチナ人2人、ヨセフ・アシ(21)、ヤヒヤ・マレイ(20)を逮捕した。2人はハマスのカッサム部隊のメンバーだった。

ハマスは、2日、ゴレヴさんを殺害したテロは、神殿の丘へイスラエルの警察が踏み込んたことへの反撃の一つであると、犯行声明を出し、これからも戦いは続くと宣言した。
なお、イスラム教のラマダンは、5月1日に終了している。

www.timesofisrael.com/hamas-claims-ariel-terror-shooting-vows-it-wont-be-the-last/

<テル・アラッドでヨルダンから密輸の拳銃20丁を押収>

押収した拳銃 イスラエル警察

イスラエルとパレスチナの憎しみの対立はエスカレートしており、大量の武器が押収されたといったニュースが何度も出るようになっている。

2日には、イスラエル南部のネゲブの町、テル・アラッドで、拳銃20丁などを持っていたベツレヘム在住のパレスチナ人2人が逮捕された。

2人は、武器をヨルダンで入手し、西岸地区へ運搬する途中であった。武器はヨルダンから密輸され、イスラエルのアラブ人とパレスチナ人に売却されているという。

イスラエル国内では、アラブ系住民の間でアラブ人どうしの殺人事件が増加しており、昨年だけで、イスラエル国内で殺されたアラブ人は125人で、2022年が始まってからこれまでにも27人が殺されている。

www.timesofisrael.com/officers-seize-20-handguns-from-palestinian-gun-smugglers-in-southern-israel/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。