昨年秋から続くナイフなどによるテロだが、エルサレム旧市街ダマスカス門がやはり、事件多発スポットになっている。昨年秋からだけで、11件のテロがここで発生した。先日19才の女性国境警備隊員ハダル・コーヘンさんがテロの犠牲になったのもここである。
ダマスカス門周辺では、通常なら、観光客も多数おり、多くの国境警備員が女性だった。しかし、今では、観光客の姿はほとんどなく、警備にあたっているのは、フル装備の男性国境警備隊員ばかりである。ダマスカス門の上には治安部隊の2人がにらみを効かせている。
チャンネル2によると、監視カメラはダマスカス門だけで11も設置されているという。
かなりの厳戒態勢だが、19日金曜朝、またナイフによるテロが発生し、国境警備員2人が軽傷から中等度の負傷を負った。犯行に及んだムハンマド・アブ・カラフ(20)はその場で射殺された。
<緊張の現場>
数日前、ダマスカス門を訪れたが、以前とは違う緊張感があふれていた。門への入り口に続く階段には、ざっくりとだが、あちこちに柵が並べてあり、数人ずつしか出入りできないようになっていた。その人の出入りを、重装備の国境警備隊員が3人、緊張した表情で監視していた。
しばらくすると、警備隊員3人が組になって、移動し始めた。見ていると、ベンチに座っていた若いパレスチナ人に近づき、取り囲んでIDを提示させている。一人はいつでも発砲できるよう、銃を構えている。
こういう時にナイフを出して刺しにくるので緊張したが、そのうち、ちょっと物陰らしきところ(とはいえ、見えている)に連行し、念入りにボディチェックをしていた。しばらくして放免されたが、見ているだけで緊張だった。やっている兵士たちはもっと緊張だっただろう。
先週、ダマスカス門で、パレスチナ人と話していたワシントンポストの記者が、不審人物と思われて連行され、問題になった。それぐらい緊張しているということである。