14日午後、1号線エルサレム市内への入り口付近のバス停で、パレスチナ人が運転する車両が突っ込むというテロが発生した。
車はバス停に激しく激突して、前面がかなり大破。バス停そばにあった水道パイプが破壊されて水が7-8mほども吹き上げる事態となった。
これにより、バスを待っていた11人が負傷。1才半の男の子が、足を切断するかもしれない重傷となっている。現在、病院の医師たちが、足を温存するべく必死の治療が行っている。
家族がこの子のために祈ってほしいと要請しているので、オリーブ山便りでも急ぎ、お知らせするものである。
中等度の負傷はこの男児と、68才の女性。あとの9人は、軽傷と報じられている。
このテロを起こしたのは、東エルサレム、ベイト・ハニナ在住のアブデル・ムサン・ハスナ(21)。警察スポークスマン・ローゼンフェルド氏によると、ハスナは、バス停に突っ込んだ直後、大きな斧を持って車から出て来たもようで、付近にいた民間のセキュリティと、治安部隊に射殺された。
この直後、ネタニヤフ首相は、市内のバス停など公共交通機関300カ所に大きなコンクリのブロックを設置するよう指示した。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4739169,00.html
<西岸地区では投石で3人負傷>
同じ頃、西岸地区ベイト・アリエでは、走行中の車両に、重さ4キロもある大きな石が投げつけられ、フロントガラスを直撃した。
これにより、運転していた女性他3人が負傷。ベイト・アリエでは10日、車がイスラエル軍兵士らに突っ込むテロがあり4人が負傷したばかり。
<パレスチナ市民の2/3はテロを支持?>
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4739356,00.html
パレスチナの統計センター(Palestinian Center for Policy and Survey Research (PSR))の調査によると、パレスチナ人の67%は、こうしたテロが、パレスチナ人にとって益になると考えていることがわかった。
アッバス議長も、月曜、「テロをおこすのは、交渉が破綻して入植地が拡大し、二国家(イスラエルとパレスチナ)が実現しそうもないこと、アスアクサモスク(神殿の丘)の”現状維持”をイスラエルが守ていないことで、絶望しているのだ。」と、テロを正当化し、悪いのはイスラエルだとする内容のコメントを語った。
<イスラエルを憎むのが当たりまえ?のパレスチナ人>
YouTubeに「Ask project」というサイトがある。イスラエルやパレスチナの街角で、極一般の人々のコメントを聞くといういわゆる街角インタビューである。イスラエル軍もリンクしている。
質問の方法は、それぞれの教育程度と、宗教の度合いを聞いた後に、イスラエル人には「あなたはパレスチナ人を憎んでいますか。憎んでいるとしたら1-10でどのぐらいですか。」というもの。パレスチナ人にはその逆の質問である。
それによると、イスラエル人の場合は、ユダヤ教徒か世俗派かにかかわらず、ほとんど全員が、すかさず、「憎しみはない。」とか、「憎しみとは違う。」などと答えている。一人だけ憎むと言った人がいるが、レートは「1」である。
どの人も、「我々に危害を加える者を憎むのであって、パレスチナ人全体を憎んでいるのではない。」というのがおおむねのスタンスのようである。
一方、パレスチナ人に場合は、質問すると多くの人が、すかさずか、いろいろ考えながらも、イスラエル、ユダヤ人への憎しみは「10」と答えている。パレスチナ側では、イスラエルを憎むということが、社会通念のようである。
しかし、中にはイスラエル政府が悪いという人や、世俗派イスラムの人では、お互いの宗教が悪いという人もある。
イスラエル人への質問 :https://www.youtube.com/watch?v=r5168ysQ2rU
パレスチナ人への質問 https://www.youtube.com/watch?v=2pjFJ0HPt5g
オリーブ山便り 石堂ゆみ