今日も死者:悲惨なパレスチナ人子供たちのテロ 2015.11.24

イスラエルでは今日23日もナイフなどによるテロが4件発生。イスラエル人1人、パレスチナ人テロリスト3人が死亡した。

<ガソリンスタンドでテロ:イスラエル人1人死亡>

22日午後3時すぎ、ラマラ付近を通過し、エルサレムに通じる国道443号線のドール・アロン・ガソリンスタンドに、パレスチナ人(16)が現れ、イスラエル人を刺して回った。

これにより、監視バルーン関係の任務の途中、接触事故をおこして、その処理と連絡のために、たまたまこのガソリンスタンドに入っていた、イスラエル兵のジフ・ミズラヒさん(18)が死亡。一緒にいた女性士官(22)も負傷した。

テロリスト(16)は治安部隊に射殺されたが、このときの流れ弾で、50才の女性が負傷した。

ジフさんは、ここ2ヶ月のテロで23人目の犠牲者である。

このテロで犠牲となったジフさんの父親は、2003年、エルサレムのカフェでの自爆テロで、兄弟のアロン・ミズラヒさん(22)を失っていた。当時警備員だったアロンさんは、ハマスの自爆テロリストが店に入ろうとするのを体をはって止めようとして死亡したという。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4729961,00.html

<間違ってパレスチナ人を襲って撃たれた14才と16才少女>

上記テロの数時間前、エルサレムのオープンマーケットのマハネイ・ヤフダすぐ外のヤッフォ通りで、14才と16才のパレスチナ人少女が、はさみで人を刺そうとした。

警察がやめるよう指示したが、やめなかったため、1人(16) は射殺、1人(14) は撃たれて重傷となった。

悲惨なことに、この2人が、ユダヤ人だと思って傷つけたのは、ベツレヘム出身のパレスチナ人男性(70)だった。男性は軽傷。もう一人負傷した25才のイスラエル人女性も軽傷である。

監視カメラに移っている2人は、どこにでもいそうなアラブ人の少女たちで、周囲の人々も2人を警戒する様子はまったくない。目撃者は、2人は12才の子供に見えたと言っている。

間違いでテロを行って射殺されるのも悲惨だが、重傷となってユダヤ人の病院で治療を受けるというのもあまりにも悲しい愚かしさである。負傷したパレスチナ人の男性も、「こんなことをして、だれの益にもならない。」と語っている。

動機については確認しようもないが、イスラエルのメディアによると、少女たちはヌルハンとハディル・アワッドで、いとこどうしだった。ハディルの兄モハンマド・アワッドは、2013年にイスラエル軍との衝突で負傷し、後に死亡していた。

悲しいことに、この件に関するニュースは、夜までにはもうすっかりなくなっていた。イスラエル人の犠牲が小さかったためと思われるが、あっという間に忘れ去れる16才の死に、腹が悪くなるような悲しさを覚えた。

www.timesofisrael.com/police-foil-attempted-stabbing-in-central-jerusalem-market/

この他にも、今日23日には、西岸地区ナブルス付近で、パレスチナ人が兵士を刺そうとして、射殺された。兵士は無事。

また、車で突っ込んで歩行者を負傷させるテロも1件発生した。これについてはまだ、犯人が逮捕されておらず、テロか事故かは断定されていない。

<ネタニヤフ首相:テロリスト家族の労働許可も剥奪へ>

ネタニヤフ首相は、治安閣議において、今回のテロは、中央司令部があるわけではないので、去年のような軍事作戦が有効とはいえないということを理解してほしいと語った。

現在、イスラエル軍は、テロを未然に防ぐために西岸地区全域に入って、テロリストの未然検挙に努めているという。今後、すべてのパレスチナ人の車両をチェックする、テロリストの家族のイスラエル領内での労働許可も剥奪するなどの方策を検討中だという。

チャンネル2は、労働許可を持ってイスラエルで働いている西岸地区のパレスチナ人たちが、検問所で列をなして並んでいる様子を伝えた。セキュリティチェックがいつもより厳しいのだろう。どの顔もみな不安げな顔だった。

これらのパレスチナ人たちは、今後、労働許可が剥奪されれば生活できなくなる人々がほとんどである。一部のテロリストの行為で、迷惑しているのは、イスラエル人だけでない。一般大衆のパレスチナ市民もおおいに迷惑しているのである。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/203822#.VlN-h6UWnA8

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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