1)ウクライナ情勢悪化で動きだす国際社会
東ウクライナで、親ロシア派とウクライナは昨年9月、ミンスクで停戦に合意したはずだったが、その後も戦闘は続き、先月から、戦闘が激化している。親ロシア派は、24日、まだ支配域にはなかったマリウポリを攻撃し、実質支配地域を拡大しつつあるとみられる。
また最近では、親ロシア派が、無誘導ミサイルを市内で使うようになり、市民の犠牲者が急増している。国連によると、昨年4月からの死者は5400人近くに上る。背後でロシアが武器を提供しているものと見られるが、ロシアはこれを否定している。
昨日ケリー国務長官がキエフを訪問した他、ドイツのメルケル首相とフランスのオーランド大統領が仲介に乗り出している。
2)ギリシャに逆切れの反緊縮政権誕生で、EU困惑
ギリシャ経済が破綻し、EU全体の経済に影響を及ぼしている問題で、昨年、ギリシャは、EUが課した緊縮財政案を受け入れることで、支援継続となり、EU離脱を乗り越えることができた。
しかし、緊縮があまりにも厳しい事を受けて(自殺者急増など)、先月22日、緊縮を受け入れないと主張する強気のチプラス政権に交代となった。つまり、緊縮はしないままで、支援はしてほしいという主張である。当然、これを受け入れることは難しい。
すでに欧州中央銀行はギリシャの民間銀行向けの資金供給の特例措置を取り下げるなどの動きが出ている。今後ギリシャがどうなるか、ヨーロッパ金融がどう動くのか、注目されている。