右派の機嫌取りに苦悩するネタニヤフ首相 2014.9.7

イスラエルは停戦後まもなくの8月31日、西岸地区の入植地グッシュ・エチオンとエルサレムの間の土地約4000デユナムを国有化すると発表し、国際社会から、相当なバッシングを受けた。

またサマリヤに、283件の建築許可を出し、これもまた国際社会からの非難のまととなっている。しかし一方で、エルサレムで許可した2500件分については、いったん許可を出した後でキャンセルするなど、ネタニヤフ首相の苦悩が伺える。

ネタニヤフ首相が、今この時期にこのような政策を出すのは、右派の機嫌取りだとも分析されている。ガザの作戦で今度こそハマスの完全撃退を主張していた右派たちは、途中での停戦になったことが気に入らないのである。

ネタニヤフ政権は、これまでになく首相在籍のリクード党の議席が少ない状態での連立政権で、難しい舵取りを強いられている。右派を失った場合、運営が非常にやりにくくなる不安定な政権なのである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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