マレーシア旅客機・撃墜疑惑で緊張するウクライナ情勢 2014.7.18

日本でも大きくとりあげられていると思うので、詳しくは報告しないが、この事件が、ウクライナと親ロシア派の対立、ひいては欧米とロシアの関係に大きく影響する可能性が出て来ている。

今回マレーシア機が墜落したのは、紛争地帯となっている東ウクライナのドネツク州。情報では、日ごとにロシアの武器が、親ロシア派に提供されているもようで、最近、ウクライナ軍の輸送機が、親ロシア派に撃墜される事件も発生している空域である。

ウクライナのポロシェンコ大統領は、事件発生後すぐにウクライナ軍の関与を否定。「これは事故ではなく、テロ行為だと考えている。」と語った。

一方、親ロシア派は「1万メートル上空の飛行機を撃ち落とすような高度な武器は持っていない。」と関与を否定。ロシアも関与を否定した。

しかし、この事件が、アメリカが、ロシアの対する新たな経済制裁(親ロシア派への武器供与疑い)を発表した直後であったことと、「BUK」と呼ばれる1万メートル上空の飛行機を撃墜できる武器はロシア製であることなどから、ロシアを疑う記事もある。

現時点では、まだ撃墜かどうかは確定されていないが、もし本当に撃墜されていた場合は、だれが撃墜したかによって、ウクライナ情勢の大きな転機になりうると言われている。また、それは欧米とロシアの関係に大きな影響を与えるものである。

オバマ大統領は、今後の調査に全面的に協力すると言っている。東ウクライナでは、事項調査がすみやかにすすむよう、ウクライナと親ロシア派の間で一時的な停戦になっているという。

なお、BBCによると、このような紛争空域を旅客機が通過していたことにも問題があるとされ、今後の航路について、他の航空会社でも変更が予定されている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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