いわゆるホーリーランド事件や、その他の収賄疑惑で起訴されていたオルメルト元首相だが、13日朝、テルアビブ裁判所は、禁固6年と、罰金100万シェケル(約3000万円)の有罪判決を言い渡した。ただし、実際の逮捕及び禁固は9月1日まで延期される。
元首相が禁固刑になるのはイスラエル史上初めてで、規模もイスラエル史上最大の汚職事件となった。イスラエルのテレビは朝からこの事件でもちきりとなっている。
なお、オルメルト氏は、今も犯行を全面的に否定している。
*オルメルト元首相の経歴(エルサレム市長:1993-2003、首相:2006-2009)
<ホーリーランド事件>
1990~2000年頃、エルサレムでは、ホーリーランド・プロジェクトという、一等地に一流の建築家がデザインする高給アパート群を建設する企画があった。この建築に関して、当時エルサレム市長だったオルメルト氏が賄賂をもらって便宜をはかったというのが、ホーリーランド事件である。
オルメルト元首相が、一連の収賄で受け取った額は56万シェケル(約1680万円)。使い先は、弟や知人の借金の返済にあてたという。
これに関して、当時秘書だったシュラ・ザカン氏が、自分の刑を11ヶ月以内にするという取引に応じて、オルメルト元首相の汚職についての証言を行い、それが判決の決め手になった。