シリアを巡って東西冷戦状態の気配 2013.5.29

<西側EUが反政府勢力へ武器支援容認へ>

28日、EUは外相会議において、シリアの反政府勢力への武器支援の制限を撤廃。実際にいますぐというわけではないが、イギリスとフランスは、穏健派反政府勢力に武器支援を開始するみこみとなった。

アメリカのオバマ政権は、アルカイダやヒズボラの手に供与した武器が流れることを恐れ、現時点ではまだ反政府勢力への武器支援を開始する動きはない。

しかし28日、オバマ政権に最も厳しい野党・共和党のマケイン上院議員が、トルコからシリアを電撃訪問し、反政府勢力穏健派と目される自由シリア軍指導者らに面会。自由シリア軍は、アメリカに対し、武器が必要だと訴えた。

<東側ロシアがアサド政権へ武器支援続行>

EUのこの動きを受けて、ロシアは改めてS300ミサイルは、西側の動きを牽制するものだと語り、西側勢力に対抗する姿勢をみせている。ロシアはこの他のミサイルもシリアに供与しているとの報告もある。

現在、シリア情勢は、アサド政権側のロシアとイラン、ヒズボラ、反政府勢力のアルカイダなどシリア外から入り込んだイスラム過激は組織、EU西側諸国と外国勢力が火に油をそそぐ、かつての東西冷戦の様相になってきている。

<シリアで最大最悪の虐殺か>

BBCによると、シリア西部の町で、一度に住民200人が、血まみれになって虐殺されているのが発見され、恐ろしい映像が流されている。シリア内戦では最大最悪の虐殺となった。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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