<パレスチナ人のテロでイスラエル人死亡>
30日朝、西岸地区北部のバス停でバスを待っていたイスラエル人男性を、パレスチナ人のサラム・ザアル(24)が、背後からいきなりナイフで刺して殺害。
被害者の銃を奪って、付近の国境警備隊に発砲し、反撃を受けて自らも負傷した。現在イスラエルの病院で手当を受けている。
被害者の男性は、ユダヤ教正統派で、西岸地区に住む”ナポ”・ボロフスキーさん(31)。演劇を通して、トラウマを受けた人々の心を癒しへと導く人気俳優だった。西岸地区だけでなくイスラエル全国で活躍していたという。7才を筆頭とする5人の子供の父親だった。
調べによると、犯人のサラム・ザアルは、パレスチナ自治区ツルカーム付近の村の出身で、ファタハに所属。彼の兄弟が昨日、イスラエルに協力したとの疑いでパレスチナ自治政府に逮捕されていた。今回、兄弟の無実をはらそうとしてイスラエル人を殺害したものとみられる。
<ユダヤ人入植者暴徒化>
この数時間後、付近のユダヤ人入植者らが、パレスチナ人の車両に投石を開始。パレスチナ人女児たちのスクールバスに当たって窓が割れ、運転手が負傷した。
入植者らは続いて近くのパレスチナ人村を襲撃。建物に火を放ち、投石もして住民1人が負傷している。イスラエルの治安部隊が駆けつけ、これまでに入植者7人を逮捕している。
治安部隊は、今後、まだ入植者らの暴力が予想されるとして、警戒を続けている。
<イシバ学生も暴徒化?>
この直後、エルサレムでは、複数のイシバ〔ユダヤ教神学校)学生が、アラビア語を話していた非ユダヤ系の捜査官2人と言い合いになった。学生らは催涙弾を使って1人を負傷させた。捜査官は1人を逮捕したが、その他の者は取り逃がした。
過激なテロリストはパレスチナ、ユダヤ双方にいる。しかし、それらは一部の者で、パレスチナ人もユダヤ人も、一般の人々は、こうした暴力には反対している。
しかし、こうした暴力の応酬が起こるたびに、一般人の内にも互いへの不信感と、怒りという壁が、積み上がっているようである。