今回の連立交渉の焦点のひとつは、ユダヤ教正統派も一般市民のように徴兵の義務を与えるかどうかである。正統派も徴兵して社会変革をしようとするのが、未来がある党(ラピード党首)と、ユダヤの家党(ベネット党首)である。
この2党は今回の選挙で、広く市民の支持を集めた。もしこの2党と連立を組めば、正統派の徴兵に反対するユダヤ教政党シャスは、おそらく連立からはずさなければならない。
しかし、伝統的にイスラエルの政権には常にシャスが入っており、ネタニヤフ首相もシャスをはずしたくないと考えている。もしシャスをとれば、上記2党は連立には入らないだろう。すると右派のネタニヤフ首相が、左派の労働党と組まなければならなくなる。苦しいところである。
ここ1週間ほど、ネタニヤフ首相は、未来がある党と、ユダヤの家党とのコンタクトを絶っているという。
ユダヤの家党のベネット党首は昨日、エルサレムで最大のイシバ(ユダヤ教神学校)を訪れ、「時代は変わった。ユダヤ教の勉強は、国の大事な部分ではあるが、同時に国防軍でも国に貢献するべき時が来ている。」と語った。ベネット党首自身は、宗教的シオニスト(ユダヤ教徒だが、率先して国防軍で戦うグループ)。
すると、シャスのイシャイ党首は、「国防軍は正統派を必要としていない。」と語った。