パレスチナ自治政府(PA)の経済状態が、深刻になってきている。2日、イスラエルがIMF(国際通貨基金)から、PAに代わって融資を受け、それをPAに又貸しするという計画が、IMFによって拒否されたことがわかった。
この計画は、以前からIMFで共に代表として働いて知り合いだったPAのファイヤド首相と、イスラエル銀行総裁のフィッチャー氏が協力してすすめていたもの。IMFは検討を重ねた結果、パレスチナ自治政府が”国”ではないという理由で、たとえイスラエル経由でも融資できないと回答したもよう。
<ラマダン準備できない>
西岸地区では、多くのパレスチナ人が、自治政府職員という形で、政府からの給料で生きている。つまり、海外から自治政府に支払われた支援金で、生きている人が多いということである。この支援金が最近の経済事情で滞っており、給料も払えない状態に陥っている。今月中旬からイスラム教徒はラマダン月に入るので、資金不足は深刻。
PAのファイヤド首相は今年初頭、湾岸アラブ諸国に10億ドルの支援金を要請したが、送金は7億ドル5000万ドル以下にとどまっている。